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当時モノのパーツを使用して2.0Lフルチューンを構築!
パイピングにまで拘った見た目の美しさも必見
FRセダンのランサーEXに1.8LターボのG62Bエンジンを搭載し、1981年に登場したA175A型ランタボ。言わずと知れた、ランエボシリーズのルーツと呼べる高性能4ドアセダンだ。
非対称トレッドパターンのアドバンHFタイプDや強化ストラットなど、走りに直結する高性能パーツがオプション設定されていたことでも話題になったモデルだ。なお、デビュー当初はインタークーラーレス仕様だったが、1983年のマイナーチェンジでインタークーラーが与えられた。
徹底したレストアにより、抜群のコンディションを保つこのランタボは、ランエボ&インプレッサチューニングに精通する“ボズスピード”が仕上げたチューンド。F-CON Vプロや最新の電気式ブーストコントローラーなどは使わず、あえて当時のパーツでフルチューンされているのが特徴だ。
美しいエンジンルームに鎮座するパワーユニットは、HKS85.5φ鍛造ピストンと4G63用クランクシャフトを組んだ2.0L仕様。カムはHKS製(IN/EX260度)に交換され、燃料系はノーマルのシングルポイントインジェクションを残したまま550ccインジェクターを2本追加し、レビックでコントロール。燃調はPFC-Fコンで制御される。そこにTD05-18Gタービンを組み合わせ、最大ブースト圧1.2キロ時に320psを発揮する。
ちなみに、ランタボはエアフロからの信号がフィードバック制御の補正程度にしか使われていないため(基本はスロットル開度とエンジン回転数で燃調を制御)、撤去してもエンジン始動には問題なし。そのため、PFC-Fコンで燃調を整えるだけで、エアフロレス仕様が可能だったそうだ。
一方のインテリアは漢のドンガラ仕様だ。メーター類はブースト計や油温計にプラスして工業用の排気温度計を導入しているのがポイント。ピークホールドはもちろん、明らかに異常なスピードで温度が上昇した時などにもワーニングランプが点灯する優れモノだ。
また、剛性の低さが目立つボディは、下手に補強すると補強していない部分にしわ寄せがくるため、5点式ロールケージを這わせる程度に留めている。ダンパーもそれに合わせたセットアップが施されており、低めの減衰力でしっかりストロークさせる方向性。どちらかと言うとラリー競技向けのセッティングに近いという。
街乗りするには少し厳しい仕様だが、1トンそこそこのボディが吹っ飛ぶように加速するのは痛快の一言。重量級スポーツカーでは味わえない、ランタボならではの魅力だ。
●取材協力:ボズスピード TEL:048-952-8586
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