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簡易ブーストアップ仕様で260キロ超えを達成!
水温のヒート対策がFL5チューンの要か!?
先代FK8型から1年2ヶ月のブランクを経て、2023年9月に登場したFL5型シビックタイプR。FD2以来となる国内生産のタイプRは、まさに「最新こそ最良」を具現化したモデル。新型プラットフォームとなったシャシーは細部までブラッシュアップが図られ、これまで以上の軽量・高剛性を実現。2.0L・VTECターボのK20Cエンジンも新設計タービンの採用でパワー&トルクがアップしているのだ。
そのパフォーマンスの高さは、ニュルブルクリンクのタイムアタックでもしっかりと実証。約3年ぶりにFF世界最速の座をルノー・メガーヌRSから奪還したのである。
…と、前置きはこれくらいにして、WEB OPTIONとしての興味は、やはりチューニングベースとしての可能性と実際のパフォーマンス。その疑問を解き明かすべく、今回は“フェニックスパワー”が開発を進めるワークスカーを高速周回路に持ち込んだ。
クローズドコースの走行は今回が初となるマシンのスペックは、排気系の変更とオリジナルECUの他は、車高調とホイールのみという超ライトチューン。今後のためのデータ収集が目的の走行だったのだが、いきなり269.17km/hの高記録をマーク。想像を超える快速ぶりを発揮したのだ。
アタッカーを担当したDaiこと稲田大二郎は「速いよ。走行時は最もスポーティな+Rモードに設定。事前の説明だとブーストは最大2.0キロとのことだったが、どうもそこまでは上がっていないようで、瞬間的に1.5キロまで跳ねて、以降は1.4キロで安定という感じ。それでもこの記録は立派だよ。オーソドックスな機械式の車高調とアドバンネオバの組み合わせも安定感があって文句はないね」と評価。
ちなみに、ECUチューニングはすでに攻略済みだが、アタック時はあえてファーストステップ的なブーストアップデータで臨んだ。これについて横山代表は「アプリケーションECUよりも純正に近いデータです。体力測定が今回のテーマでしたからね」と語る。
とはいえ、問題点が無いわけでもない。先代型でも指摘されていた冷却系のヒート傾向はFL5でも変わらないようで、2本目の走行では熱ダレで記録が大幅にダウンしてしまったのだ。
「手探り状態でのトライでしたが、想像以上の速さに驚きました。ECUは攻略できていますが、先代モデル同様に冷却系の強化は必要ですね。ひとつひとつ課題をクリアしながら、じっくりとポテンシャルアップを目指します」今後の展望を語ってくれた横山代表。
チューニングの豊富な知見と圧倒的な技術力を武器に、シビックタイプRと向き合うフェニックスパワー。オーナーはその動向に注目されたし!
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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フェニックスパワー
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