「この完成度は感動的すぎる・・・」軽自動車でランボルギーニイオタSVRを完全再現!?

全ての始まりはスーパーカーネタの雑談だった!

スズキ・キャラをベースに10年もの歳月をかけてDIY製作

時は1994年。生粋のスーパーカー世代でミッドシップ車に強い憧れを抱いていた金澤さんは、新古車のCARAを発見して飛び付いた。それがこの物語のスタート地点だ。

「CARAを購入して5年ほど経った頃ですかね、ツーリング先でスーパーカーの話題になったんです。そこでランボルギーニ・イオタが好きだと話したら、参加者の中でゲームソフトを手掛けていた人が、PCでイオタ顔になった愛車(CARA)を描いてくれたんです。これだ!と思いましたね」。

興奮冷めやらぬまま、知り合いの鈑金屋に駆け込んだ金澤さん。当時、装着していたマツダスピードのフロントフードをベースにイオタ風のフェイスを製作してもらったという。

「その仕様で3年くらい乗りました。満足していたのですが、ある日、頭の中にリメイクのイメージが湧き上がって。でも、それを他人に伝えるのは難しいと思って、自分で製作することにしたんです」。

禁断の領域に足を踏み入れた金澤さんだったが、独自に技術を磨きながらコツコツと各部の作業を進めていった。そして、前後のチルトカウル機構、フェンダーのワイド化、ヘッドライト位置の変更…等々、塗装以外の全ての作業を自らの手で完結させたのである。

ちなみに、リメイクから完成までに要した時間は約10年(途中、4年間は未作業)というから恐れ入るが、今回はその製作過程をダイジェストで見ていこう。

【MOCK UP】フロントフェイスの造形

フロントフードとフェンダーを覆うカウル全体にウレタンを盛り付けて、シャープなノーズデザインを製作している最中のシーン。これをベースに型取りを行い、最終的に一枚物のFRPカウルを完成させるのだ。

【HEAD LIGHT】ヘッドライトの位置決め

イオタの雰囲気を再現するためにヘッドライト位置は大幅に変更した。ライトユニットの後方に確認できるのが純正のライト固定パネル。比較すれば、その移動量が分かるだろう。

【FRONT COWL】フロントフードの成形作業

移動させたヘッドライトの位置に合わせてフロントフードを成形。イオタの特徴とも言えるライト部分の“彫り”は、塩ビパイプを加工して製作したそうだ。

【FRONT STYLE】細部の調整作業

トータルシルエットが決定したら、細部のラインやシルエットを整えていく。パテ粉にまみれながらの研磨作業はかなり重労働だ。これが先述したベースとなるマスター。ここにFRPを貼り付けてメス型を作っていく。

【REAR STYLE】リヤセクションの造形作業

大幅なワイドトレッド化に伴ってリヤセクションも全面モディファイ。ルーフから後端まで伸びている棒は、ルーフやウイングの傾斜角を確認するための目安だ。

【REAR COWL】リヤカウルの製作

FRPで成形され、型から抜き出されたリヤカウル。内部にはアイローネゲートと純正フェンダーの一部がベースとなって残されている。

ベースモデルとの比較

AZ-1(CARA)との比較。ヘッドライトの高さはほぼ同じだが、ライト固定位置の変更やロングノーズ&ワイド化でイメージは激変。フロントセクションの共通部分はウインドウくらいなものだ。

フロント以上にベース車の面影を感じさせないリヤビュー。軽自動車の枠に捉われず造形しているためか、純正の腰高感は完全に消え去り、国産離れしたスタイリングに仕上がっている。

フロントのタイヤ位置を揃えると、オーバーハングの延長具合がよく分かる。フレーム加工無しでここまでプロポーションを変えつつスタイリングを整えているのである。

ディティールを徹底チェック!

エンジンはオーバーホールを機にクラックス製RHB31FW改タービン仕様へとアップデート。MGMのチューンドECUで制御しているが、ブースト圧はノーマル同様の0.9キロ設定だ。

排気環境は、デザートイーグルのメタルキャタライザーからフリーダムクラフトの40φマフラーに繋がるレイアウトだ。

必要な機能がコンパクトにまとめられた室内。スピードメーターは、日本計器サービスで220km/hスケールにカスタムしてもらったそうだ。

テールランプはミウラSV用のランボルギーニ純正を使用する。かなりのレアパーツだが、旧車イベントのフリーマーケットで発見して即買いしたそうだ。

エアロプラント製アイローネゲートに、100均で見つけた“茶こし”を貼り付けて12気筒エンジンを表現。遊び心を感じさせてくれるパートだ。

ゴールドのワイヤーメッシュを履いていたイオタSVRに合わせて、ホイールはSSRメッシュをチョイス。サイズはフロントが6.5J、リヤはリバレルで深リム化した9.0Jを履く。

「大好きなランボルギーニ・イオタSVRに近づけたかったんですが、CARAの個性も大事にしたかった。なので、ヘッドライト部分のパネルを切ったくらいで基本骨格はノーマルのままとしたんです。ガルウィングもあえて残しました。これからも、クルマ好き同士が楽しさを共有しあえるようなカスタムを追求していきたいです!」とはオーナー兼ビルダーの金澤さん。

現在、金澤さんはカウルの開度アップやヒンジ位置の見直しなど、さらなるブラッシュアップを画策中だったりする。オリジナリティ全開のCARA改ランボルギーニ・イオタSVR仕様、今後のさらなるモディファイに期待したい。

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