「4代目レジェンドは偉大なり!」名門ショップのリフレッシュ術で輝きを取り戻したホンダマニアの愛機

300馬力のJ35Aエンジンと革新的なSH-AWDの強力タッグ

足回りのフルリフレッシュで新車同然の乗り味に!

ホンダ初のV6エンジン搭載車であり、北米市場における高級チャンネル『アキュラ』のフラッグシップカーとして誕生したレジェンド。歴代モデルにはMT車やクーペモデルを展開するなど、高級サルーンでありながらホンダらしいスポーティさを魅力としているのが特徴だ。

また、初代モデルには低燃費を狙うためにホンダとして久々のターボエンジンを採用したり、2&3代目モデルはFFでありながらエンジンを縦置き搭載したり…と、多くのチャレンジがなされた車種でもある。

そして、ここで取り上げる4代目=KB1こそ、よりスポーティでエポックメイクなモデルだ。登場したのは平成16年10月。同年7月に出力自主規制が解除されたことを受け、日本製の乗用車で初の300psエンジン(J35A)を搭載したことで大きな話題を呼んだ。

また、先代までのエンジン縦置き搭載から横置きに戻した一方で、駆動方式を4WDに刷新。駆動力を前後配分30:70から70:30まで、後輪左右配分100:0から0:100まで無段階で制御する『SH-AWD』を採用したことで旋回性が飛躍。高級サルーンとは思えない運動性能を実現。

今回、取材車両を提供してくれた中村さんは、シビック1200GLに始まり、初代アコードやEF&EGシビック、EK9&FD2タイプRなど、数多くのホンダスポーツを乗り継いできた筋金入り。一方、趣味のスキーを楽しむ足として、レオーネやレガシィ、アウディ90クワトロといった4WD車も同時所有してきたそうだ。

このKB1は「ホンダのフラッグシップに一度は乗ってみないと…」という想いから、2018年に中古車購入したもの。当時の走行距離は7万kmだったそうだが、スプーンのアンテナショップ“タイプワン”でアーム類一式とダンパーを新品に交換。合わせて、エンジンマウントも交換とともにバルブクリアランス調整を行うなど、リフレッシュを徹底して新車同然の乗り味に仕立てられた。

購入時に傷だらけだったというPCD120の純正ホイールも完璧にリペア。タイヤは「高級サルーンにこれ以外の選択肢はないでしょう」とブリヂストン・レグノGR-XII(235/50R17)を履く。

「軽快に吹け上がるエンジンはシルキーな印象ですがアクセルを踏み込めば音が心地良く、パワーも十二分で車重を感じさせない軽快さが魅力ですね。それにSH-AWDの効果は抜群で、峠を狙ったラインで攻めた走りができますし、コーナー立ち上がり加速の鋭さはスポーツカー以上です」と中村さんは語る。

続く5代目モデルでレジェンドはその歴史に幕を下ろしたが、KB1は数多くの名車が生まれた平成の自動車史に燦然と名を残す一台と言えるだろう。

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