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ベンコラ仕様のオールドクラウンに現代のパワートレインを換装!
ボディ本体もインテリアもワンオフ加工の嵐
1970年に登場した、通称“クジラ”こと4代目クラウン(MS60)。販売台数でセドグロ勢に負け、歴代クラウンにおける数少ない不人気車だったために現存数は少なく、街で見かけることも滅多にない希少車だ。
そんなレアな旧車をベースに、大胆にもエンジンスワップを敢行したのが今回の主役。手掛けたのは、スワップチューンを得意とする“C&Yスポーツ”だ。
エンジンは1JZ-GTE。JZX110に搭載されていたVVT-i付きのシングルターボ仕様だ。チューニングは施されていないが、新品パーツを使って超高精度で組み上げられている。
さらに、エンジンルームはアルミカバーで1JZ-GTEを囲むように蓋をして、まるで現在の高級車のようなレトロフィット化を行っている。マネージメントは1JZの純正ECUが担う。
外観からは、とてもエンジンが1JZ-GTEに換装されているとは思えないが、近くに寄ってグリルの奥を覗けば、中置きでレイアウトされたインタークーラーが確認できる。
排気系はタービンアウトレット以降のパートを全てワンオフ製作したものだ。砲弾型のテールエンドがリヤビューを盛り上げる。
ストリートでの使い勝手を考慮して、インパネにはHDDナビを搭載。パワステはもちろん、エアコンもJZX110純正のコンプレッサーや配管をそのまま流用しているため、夏場でも快適なドライブが可能だ。ペダル類にはMS60のMT車純正を移植している。
スピードメーターはMS60純正の機械式を作動させることも可能だが、誤差を嫌ってJZX100純正を美しくインストールしている。
ミッションにはJZX110の純正5速(R154)を流用。とはいえ、このクジラクラウンは6人乗りの3速コラムATというモデル、作業が一筋縄で行くわけがない。
元々のミッション本体が小型なため、R154が収まるようにフロアトンネルを拡大加工した上でセンターコンソールも新規製作。さらに、エンジン搭載位置の関係からズレてしまうシフトレバーのポジション修正…など、大加工が必要となったのだ。
ホイールはワークレザックスの18インチ。ちなみにノーマルは14インチなので4インチアップだ。エンジンスワップだけでなく、この辺りも一般的な旧車スタイルとは一線を画すポイントだ。
1360kgのボディにトルクフルな1JZ-GTEの組み合わせは想像以上にマッチングが良く、高速道路では現代のスポーツモデルにも負けない加速力を見せてくれるという。快適装備も与えられ、普段乗りに使いたくなるようなトラブルフリーの快適クジラ、魅力的すぎる!
●取材協力:C&Yスポーツ 愛知県愛知郡東郷町大字春木太子32 TEL:0561-38-8325
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