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フルコン×最新補機類の組み合わせでRB26が覚醒!
450馬力仕様ながら8km/Lという実燃費も魅力
「第二世代GT-Rのマシンメイクで大切なのはバランス。今回は『これからストリートで長く乗り続けるとしたら』というテーマで選びました」と、“ウエストスポーツ”亀谷代表が紹介してくれたのは、ガングレーメタリックのBNR32。
オーナーはグループAをリスペクトしているというカーガイで、ベース車両は500台限定のNISMO。約20年前に購入し、ウエストスポーツでチューニング&メンテを続けている個体だ。以前はBCNR33の純正ECUで走らせていたが、フルコンの性能を堪能したくなって“純正ECUを撤去したF-CON Vプロのみの単体制御”への仕様変更に踏み切ったという。
純粋にパワーを追求するならエアフロはキャンセル(Dジェトロ化)するのが正攻法だが、このBNR32はどんな乗り方でもフレキシブルに使えるようR35GT-R純正エアフロを使ったLジェトロ制御を選択している。
というのも、Dジェトロは圧力センサーで吸入空気量を測定するためエアフロ仕様のような抵抗は無いが、多連スロットルや可変バルタイ装着車とは本来マッチングが良くない。なぜなら、1つの圧力センサーでは吸気工程の気筒負圧以外に、他のバルブが締まっている気筒気圧も付加されるため、正確な計測が困難になるからだ。
その傾向はスロットル開度が大きいほど顕著で、高回転でアクセルを少し開けただけで全開と検知してしまうためA/Fが濃くなってしまう。それをスロットル開度補正、大気圧センサーの追加などで対応するわけだが、それでも細かいところは制御しきれないのだ。
亀谷代表は、そうしたDジェトロの弱点を、エアフロに正確な空気量の検出を担わせることで解消しようと考えたのだ。ただし、施工した2016年時点ではHKSにもVプロ+エアフロ制御のマッチングデータは存在しなかったため、トラブルをひとつひとつ潰しながらシステムを構築していったそうだ。
ヘッドには連続位相可変バルタイ機構のHKS Vカムも搭載。燃料噴射を司るインジェクターはサードの12ホールを使う。これは容量うんぬんではなく、霧化の促進を狙ったチューニングだが、不完全燃焼が低減するため結果として“省燃費化”という大きなメリットも生まれる。
また、エアクリーナーボックスは純正を使用。亀谷代表いわく「ピークパワーは441.7ps&60.34kgm。このくらいの仕様なら、純正エアクリボックスがベスト。すごく完成度が高いし、これで全く問題ない…というか、ベストな組み合わせだと思う」とのこと。
インテリアは、ニスモのステアリングと3連メーターに交換している程度。PLXの空燃比計を装着し、エンジンの状況をリアルタイムで管理する。ステアリングの左下にはアテーサコントロールユニットを設置。上がグループAで実際使われていた物(不動)で、下がビーレーシング製(可動)だ。
マフラーは今や懐かしいアルティア製のスチール。ノーマル然としているが、トランクは過去にウエストスポーツが販売していた軽量FRPモデルで、リヤスポイラーにはドライカーボン製を奢る。ホイールは、ブラックにペイントした16インチのボルクレーシングTE37Vでイメージを一新している。
「エアフロとF-CON Vプロの組み合わせは、燃費特性を改善しながらドライバビリティも良好になるのがメリットですね」と、亀谷代表。フルコンならではの緻密なフィーリングと、季節やステージを選ばないフレキシブルさは多くのユーザーが求めるものだ。オリジナルに拘るのも悪くはないが、最新のパーツを知ることで、第二世代GT-Rはまだまだ楽しくなる。
●問い合わせ:ウエストスポーツ 広島県福山市新涯町4-2-46 TEL:084-981-5061
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