目次
オリジナルのカーボンパーツも多数投入!
5バルブ4A-G×6速MTがAE86を覚醒させる
テンロクFRのレジェンドと言えば、文句なしにハチロクだろう。ストック状態の4A-Gは130psと少々非力なものの、1トンを切る軽量ボディにFR駆動というマッチングでドライビングの楽しさを味わわせてくれた名車だ。
さて、そんなマシンも初期モデルだと40年近くの歳月が経過し、走りを楽しむにはエンジンだけでなくボディにおいてもヤレとの戦いが欠かせない。そのため、この名車を楽しもうとするならポテンシャル追求よりも懐深さの引き出しにウエイトを置き、長く乗り続けられる1台に仕上げていくアプローチが主流になる。
今回、AE86チューンの名門“インパルス”が披露してくれたトレノは、まさに走りを楽しみながら長く乗り続けていくための好見本だ。入手困難となってきたオリジナルに固執せず、5バルブや4連スロットルで高性能となったAE101以降の4A-Gをスワップ。ベースポテンシャルの高さやコンディション面だけでなく、VVT搭載でハイカムを組んだ際に排ガス値を安定させやすいなどメリットは数多い。
ハチロク用社外マフラーは数多く存在するが、長きに渡って生産されている基本設計の古い製品がほとんど。インパルスでは、現在のトレンドも押さえたオーバルタイコタイプのフルチタンマフラーをラインナップしている。
ブレーキはフロントにエンドレス4ポットキャリパーを投入。ホイールは15インチのボルクレーシングTE37V(FR7.5J+6)だ。フロントフェンダーはドライカーボン製で、標準的なパンダトレノスタイルの塗り分けとしながらも黒部分はカーボンの地を活かした仕様とされている。
ドアパネルもドライカーボン製の逸品。ヤレた純正からのアップデートに使えるよう、インパルスでは多彩なアイテムを展開しているのだ。
パーツが入手困難な上にオーバーホールしてもシフトフィールがいまいちな5速MTとは決別し、ZN6型86用の6速MTに3速クロスを組み込んでスワップ。ノーマルのまま組み込んでも、1速プラスのクロス効果が手に入れられる。
機械式でミッションから車速信号を取り出していたAE86に対し、86&BRZはABSからの車速信号取り出し。つまり、6速流用時は純正スピードメーターが使えなくなる。その問題を解決すべく、マグネットパルスユニットとデフィのマルチメーターが導入されているのもポイントだ。
「コンディションの低下に反して価格が高騰しているハチロクですが、専門店でしっかりとしたベース車両を手に入れてアップデートしていけば、走りの楽しさを味わえて長く付き合っていける1台に仕上がります。外観は綺麗なのにボディ剛性に問題のある個体も増えているので、ハチロク本来の走りが楽しめるように溶接不要なカーボンフロアパーツを構想中です」とインパルス田嶋さん。
タマ数の少なさや製廃にも負けじと、先進のアップデート術が今も生み出されていくハチロク。もしチャンスが巡ってくれば迷うことなく手に入れ、その魅力を存分に堪能していただきたい。
●取材協力:インパルス 兵庫県神戸市西区南別府1-14-8 TEL:078-975-8186
【関連リンク】
インパルス
http://www.e-impulse.co.jp