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2JZ改3.1L仕様で低回転から扱いやすい600馬力!
LINKフルコンで叶えた各種アップデートも注目
このJZA70型スープラをリメイクするにあたって、オーナーが名門“ラスティー”に出したオーダーは「とにかく長く乗れるように作ってほしい」というもの。つまり、細部フィニッシュを含めた仕様は完全にお任せで、使用パーツや目標馬力などの要望も一切無かったという。
そこでラスティーでは、実用回転域はノーマル同等の扱いやすさを保持し、高回転域でチューンドらしいパワーフィールが味わえるスペックを提案。高風量タービンを組んでも豊かなトルク特性が得られるよう、ベースエンジンを1JZ-GTEから2JZ-GTEに切り換えた上で、HKS製の1mmオーバーサイズピストンを投入する3.1L仕様を生み出した。
組み合わせるタービンは、HKSのGTIII-4Rだ。このモデルはTO4Zの後継モデルとしてリリースされたもので、700ps対応の風量を持ちながらピックアップの良さを併せ持っているのが特徴だ。インジェクターを750cc(インジェクターダイナミクス製)まで増量し、余裕のある600psを作り上げている。
インタークーラーとそれに伴うパイピングは、ラスティーがワンオフで製作。とくに前置きの大容量クロスフロー式インタークーラーは、レイアウトから取り付け方法まで徹底的に拘った自信作とのことだ。仮に他ショップでメンテナンスをする際にも、分かりやすい作りにしているという。
重要なエンジンマネージメントは、フルコンの代名詞“LINK”のG4Xエクストリームが担当。純正ECUと比べて処理速度が早いためエンジンの吹け上がりがスムーズになり、アクセルを踏み直した際のレスポンスなどはハッキリと体感できるほど変わる。
このJZA70の最も特徴的な部分は、スタンドアローン化したLINKによって、AIMのMXGデータロガーも駆動させていることだろう。これらの採用理由は近代化…というよりも、経年劣化によって純正のECUやメーターにいつトラブルが発生してもおかしくないからだ。その際に必要となる純正パーツは入手困難で、中古価格もべらぼうに高騰していることなど容易に想像が付く。
アナログ入力やデジタル入力、CAN通信機能を持ちつつ、エンジンを完全掌握できる高性能フルコンを導入することで、純正よりも長期使用でき、低予算で補修可能な策を講じたのである。
樹脂パーツ類に一切の劣化が見られないインテリアは、新車レベルの極上コンディションだ。ドライビングポジションはナルディクラシックとブリッドのストラディアIIで最適化している。
この他にも、消音と排気効率を両立させた90φストレート構造の車検対応ワンオフマフラーや、シフトレバー位置を変えずに耐久性を高めるJZX110用5速MTへの載せ換えなど、随所に拘りが満載のJZA70。車齢30年を超えるチューンドを、長く楽しむための最適解として推したい1台だ。
●取材協力:カーメイクラスティー 千葉県白井市冨士51-4 TEL:047-441-6226
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