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GTS7040コンプレッサーを左右バンクに搭載!
難関を乗り越えて誕生した750馬力のツインスーパーチャージド
HKSのGTスーパーチャージャーを軸にした、オリジナルの車種別キットを展開する“カーメイキングレヴュー”。これまで様々な車種のスーパーチャージャー仕様を世に送り出してきたが、その中でもチューニング業界に衝撃を与えたのが、このZ34型フェアレディZだ。
何とVQ37VHRエンジンの左右バンクにそれぞれGTS7040スーパーチャージャーを搭載する、ツインターボならぬツインスーパーチャージシステムを作り上げたのだ。
GTS7040はオイルパンのすぐ上あたりのわずかなスペースに設置されているが、クランクシャフトから伸ばした1本のベルトで2機のチャージャーを駆動させるためのレイアウトには、相当苦労したそう。
GTS7040は、単体で400psを出力するほどのポテンシャルを秘めたスーパーチャージャーだ。ノーマルエンジンでは間違いなくキャパ不足との判断から、オリジナルの鍛造ピストンとH断面コンロッドを開発。腰下の強度アップはもちろん、圧縮比を11から10.5まで落とすことで、ハイブーストへの対応力も高めた。
さらに、サージタンクも大容量タイプを製作。純正の左右バンク一体型を別々にセパレートし、さらにファンネルを設けるなどして充填効率を高めている。
燃料系についても、Z34は燃料ラインが燃料ポンプからエンジンまで一方通行のワンライン(リターンレス構造)で、そのままでは容量が足りない。そこでサードの大容量燃料ポンプを2基掛けし、さらにリターン配管を新たに製作して強化した。
こうした数々のチューニングを経て、最大ブースト圧1.2キロ時に最高出力750ps&最大トルク86kgmというハイパワーを引き出すことに成功したのだ。
もちろん冷却チューンも徹底。エンジンオイルクーラーをインタークーラーの手前にセットし、さらに独自の加圧式ラジエターリザーブタンクとローテンプサーモによって水温を安定させている。
リヤビューを引き締めるエンドマフラーは、Z33用としてリリースされているHKS製フルデュアルを加工したスペシャル。排気効率の向上を図り、ツインチャージャーのパワーをしっかりと引き出す。
一方のサスペンションは、HKSのハイパーマックスIIIスポーツをベースに、フロント28kg/mm、リヤ24kg/mmのスウィフト製スプリングを装着する。フロントアーム類はレビューオリジナルのピロ仕様へと加工済みだ。さらに、ブレーキにはエンドレスのキットをインストールするなど、ハイパワーを確実に受け止める足回りを構築している。
ホイールは18インチのボルクレーシングTE37SLをチョイスし、10.5Jを通しで装着。組み合わせるタイヤはハンコックのヴェンタスTDの295幅だ。
MOMOのブラックスエードをあしらったステアリングが装着される程度で、エクステリアとは対照的にノーマルルックなインテリア。内装もフル装備、当然エアコンなどの快適装備も一切削っていない。
ここまでのハイチューンスペックながら、ツインチャージャーまで含めて完全な車検対応を実現しているのもこのマシンの凄いところ。さらに、OPTION誌のロングランテストでは東京から九州まで自走(往復)で走破し、その快適性と安定性を証明した。まさに完全無欠のチューンドなのである。
●取材協力:カーメイキングレヴュー 千葉県袖ヶ浦市長浦580-74 TEL:0438-60-3133
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