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EFR8374タービン装着を前提に作り込まれた4G63
美しさに拘り抜いたエクステリアカスタムも注目!
速さのオーラを強く滲ませる、アグレッシブなエアロフォルムのランエボIX。もちろん、見た目だけを飾ったわけではなく、2・3L仕様の4G63にボルグワーナーEFR8374タービンをマッチングし、ブースト圧1.8キロ時には630ps&73kgmを発生させるモンスターマシンだ。
「実は社会人になるまでクルマに一切興味がなく、一度はスポーツカーに乗ってみようかなと最初に買ったのはハイブリッドで燃費が良さそうなCR-Zでした。ただ、いざ乗ってみるとパワーが物足りず、イメージしていたスポーツカーじゃなかった。そこで今度は使い勝手の良さそうな4ドアスポーツの中からランエボ、インプ、シビックタイプRに候補を絞ってFD2へ乗り替えましたが、あっさりとクラッシュ。そこからランエボかインプかで悩み、最終的にボルテックスのランエボがカッコ良いと感じたこともあって、スタイリングありきでランエボIXに落ち着きました」とは、28歳のゆたかさん。
こうした話や年齢を聞けば、作り込まれたチューンドを迎え入れたように思うかもしれないが、ボルテックスのスタイリングを最終形態にイメージしつつ、自分の好みに仕上げたいと考えていたゆたかさんは、フルノーマルに近い車両を探し出して購入したという。
「色々イジろうと考えていたものの、4WDどころかターボ車も初めてだったので、最初は加速感に圧倒されましたね。ただ、サーキットに誘われて自分の実力がタイムで分かるようになると、もっと速く走りたい…と理想はどんどん高くなって、チューニングも加速していきました」。
ちなみに、ブーストアップや265サイズを履かせるためのワイド化など順調にパッケージバランスを高めている中で、最も悩ましかったのは10万kmの節目で予定していたエンジンチューニングだった。
というのも、WTACに挑んでいたチルトンレーシングのランエボIXを見て、タービンにはボルグワーナーEFR8374を使いたいと考えていたが、ランエボチューンに定評あるショップは自宅から遠く離れた関東ばかりだったから。トラブル発生時のことを考えれば近場のショップが良いと思い、タイムアタックマシンを数多く手掛ける“オートセレクト”を訪れ、走行ステージや理想のスペックを伝えてエンジンチューンを相談。MAX750psも狙えるEFR8374をワイドレンジに活かせる、HKS製2.3L仕様を構築することに。
インジェクターはサード1000ccで、制御にはLINK G4Xを使用。スロットルボディ(66φ)やインレットパイプはオーストラリアのプラズママン製をチョイスした。
630ps&73kgmを純正ミッションでは受け止められず、GSR純正の6速MTは2度ブロー。RS純正の5速MTで走らせていたが、ブローの不安が拭えないためサムソナス5速シーケンシャルドグで対策した。なお、ギヤ比は鈴鹿サーキットも視野に入れて5速のロング化を図りつつ、最高速が稼げるようにファイナル比を3.688としている。
コンマ1秒を削るには軽さが必須との考えで、東名パワードのチタンマフラーをチョイス。フルノーマルから仕上げてきたからこそ、装着パーツは吟味して与えられたものばかりだ。
思わぬトラブルでフロントスポイラーを破損したが、最短納期でもアタックシーズンに間に合わないことからボルテックスでの統一を諦めて海外製カーボンスポイラーにスイッチ。Wオーバーフェンダー仕様のフロントをスムージングし、オリジナリティもさりげなく注入している。
ブーストアップ仕様でミニサーキットを走らせていた時はフロントオーダーフェンダーとリヤフェンダー叩き出しで265サイズ、エンジンチューン後は前後ともにWオーバーフェンダーとして295サイズをセットする。
車高調はクァンタム製を奢るが、ナローボディ時にセットアップしたもののためレートの見直しを検討中。エンドレスのモノブロックキャリパーで強化したブレーキは、アタックユースでも不安のない制動力を発揮する。
着々とタイムアップを果たしつつ、電子制御スロットル化など次なるアップデートも模索する貪欲さ。尽きることのない速さへの探究心は、一体どこまで突き進むのだろうか。
●取材協力:オートセレクト 大阪府堺市美原区丹上221-5 TEL:072-363-0383
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