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13B-REW改TO4Sシングルターボをオートマで楽しむ!
夢中で走り回った日々、あの頃の興奮が再び
真夏の太陽の下、まるで新車のような輝きを見せているSA22C。RE雨宮のエアロを纏い、足元にはSSRのメッシュ。インテリアも、とっくの昔に廃盤となってしまったオレンジグラデーションのレカロが2脚すえられている。
見つめていると、まるで昭和の時代へタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥るこのSA22Cは、名門“フジタエンジニアリング”の手によって製作された1台。このマシンの物語は、オーナーが走行距離がわずか5500kmという極上の個体と出会ったところから始まる。
その昔、オーナーはグレードこそ違うものの、全く同じボディカラーのSA22Cに乗っていたのだという。そんな古き良き時代の思い出が、この車両と出会った瞬間に蘇った。そして「もうこのチャンスを逃したら二度と手に入れることはできない」と考え、即断。長い月日を経て、再びSA22Cに乗ることを決意したというわけだ。
購入当初は、あまりの程度の良さにオリジナルのまま動態保存することを考えたそうだが、フジタエンジニアリング藤田代表と相談を重ねるうちに方向転換。当時の雰囲気を完全に再現しつつ、メカニズムは大幅にアップデイトするというチューニング計画をスタートさせたのだ。
具体的には、エンジンとオートマミッションはFD3S後期型からフル移植。そこにTO4SタービンとF-CON Vプロ3.4を組み合わせ、現代に通用するトラブルフリーの走行性能を与えるというもの。完全なるレストモッドである。
各部のメイキングは非常に芸が細かいのだが、その最たる例がメーター。メーターを交換してしまうとATの制御に不具合が発生してしまうので、FD3Sの純正メーターをバラしてSA22Cのメーターパネルに移植しているのだ。
一方のエクステリアはオーナー拘りのRE雨宮製エアロパーツで武装。これらは大半が廃盤になっていたため、ネットオークションを活用しながら集めたそうだが、傷みが激しく、修理というよりは再生という表現が正しいほどの修復作業が必要だったそう。
そうした様々な苦労を経て、いよいよ完成したSA22C。ベテランにとっては懐かしく、若者にとっては新鮮に映る1台へと仕上がったのである。
相応の時間は要したものの、理想以上の仕上がりに大満足というオーナー。これからもこのSA22Cをずっと大切にしていきたい、満面の笑みでそのように語る姿がとても印象的だった。
●取材協力:フジタエンジニアリング TEL:072-258-1313
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