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GT100Rを超えるパンチ力が手に入る
ベスト形状のサクションパイプを開発中
S660のチューニングで定番となっているGTIII-KXタービン(GT100Rパッケージ)の最高出力100psに対し、さらなるハイパワー化をターゲットとして開発が進められている新型タービン“GT2912-α”。GTIII-KXよりもコンプレッサーホイールをひと回り大きくした上で、エキゾーストハウジングの容量アップを図った120psターゲットの高風量モデルだ。
GTIII-KX同様に、純正置き換えタイプのスポーツタービンキットとして開発が進められているGT2912-αタービン。インテーク側入り口径は27φ(KX25.6φ)、出口径は39φ(KX37φ)へとそれぞれサイズアップ。なお、エキゾーストハウジングは完全新設計だ。センタカートリッジは信頼性が高いMHI製のメタル軸受け方式を採用し、吸気側ブレードもGTIII-KXよりひと回り大きくなっている。
レーシングサクションの進化バージョンも現在開発中だ。既存の製品は、純正パイプと組み合わせるレイアウトを採用しているため、Uターン部分がどうしても吸気抵抗になっていた。そうしたネガ部分を完全払拭したニューモデルを。
ニューバージョンは、30-30φの純正パイプ径に対して36-54φまで容量を拡大。エアクリーナーからタービンまで、吸気をストレートに導くようにレイアウトを見直している。製品版では、鋳物のサクションパイプ+ドライカーボン製のボックス+サイドダクトの構成となり、それぞれ単品での販売も予定されている。
GT2912-αタービン仕様のテスト車両で、新旧のレーシングサクションを付け替えてパワーチェックした結果がこちら。レイアウトを一新した新型レーシングサクションの効果は凄まじく、中間域からトップエンドまでブーストパワーが追従していることが分かる。最高出力は119.7ps/13.4kgm(最大ブースト圧2.1キロ)だ。
チューニングシーンの隆盛は、多彩なチューニングパーツがあってこそ成立しているものだ。そして、それらの方向性は、メーカーの開発コンセプトが大きく影響していることは言うまでもない。価格や販売時期についてはまだ明言されていないが、オーバー120psの未来はすぐそこまで来ているのだ。
●取材協力:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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