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的確なリフレッシュで本来の運動性能を取り戻す
パーツの製造廃止が進むカプチーノだからこそ専門店を頼るべし!
前後ダブルウィッシュボーンと4輪ディスクブレーキを採用し、軽自動車ながら本格的なメカを備えるカプチーノ。とはいえ、年式の低い車両だけに、手を入れるならばリフレッシュを兼ねた初期化が最優先だ。
「快適なフィールを取り戻すべくリフレッシュを行い、本来の運動性能を取り戻してもらいたいですね」とは、カプチーノ専門店ヴァケラッタCの荒井さん。
そう、未だ現役感のあるカプチーノだが、実は後期型のEA21Rでも販売から30年近くが経過している。そのため、最近リフレッシュを施した車両でなければ、ほぼ全ての車両が何かしらの経年劣化に蝕まれていると考えるのが順当。しかも、すでに廃盤のパーツも多く、今後、純正ライクなリフレッシュはさらに困難になっていくことは確実だ。
実は純正のショックアブソーバーも非常に高価になっているので、抜けていなければまずは据え置きとし、アッパーマウントやゴムパーツ、ブッシュなど劣化が激しい部分の交換によるリフレッシュ効果は高い。
さらに、見落としがちだが、デフマウントの亀裂やガタが出やすいリヤのハブベアリング、ブレーキキャリパーのオーバーホールなども優先したい項目だ。
以前はカプチーノ用に純正形状サスのカヤバ・ニューSRを多用していたがが、現在は廃盤になり入手困難に。それでも、アッパーマウントなどのゴム類を変えるだけでも引き締まったフィールが蘇るそうだ。とくに、フロントのアッパーマウントがヘタり過ぎて車高が下がっていることも多く、何をおいてもリフレッシュしたいポイントと言えるそうだ。
決して車高調の選択を否定するわけではない。こちらはブリッツの車高調「ダンパーZZ-R」を装着した例で、走りを強化したい場合や大胆に車高を下げたいなどの希望があれば、むしろヴァケラッタCでは推奨しているほどだ。
撮影車両は、減衰力コントローラーDSCプラスをカスタムフィット。リヤダンパーの上に燃料配管が徹カプチーノでは、制御用ステッピングモーターの取り付けが難しく、ブリッツでは非対応とされているのだが、ヴァケラッタCでは独自の配線方法でインストールを実現している。
カプチーノはフェンダーアーチが大きく、ノーマル車高だとフロント上がりに見えてしまう。しかし、見た目で前後を合わせると前のめりの姿勢になり、アンダーステア傾向が強まったり、街中でフロントがヒットしやすかったりすることもあるので要注意。ヴァケラッタCでは、基本的にはフロントを少しだけ高めにセットすることを推奨している。
ブッシュ類の交換は、非常に体感度が高いリフレッシュだ。ただし、全てのブッシュを交換するとなると予算がかさむため、ヘタりやすい部分から交換するのもあり。また、フロントナックルは、キャリパーの固定部が曲がりやすいので合わせて確認すべし。
デフマウントは経年劣化でヘタっていることが多く、加減速時にリヤが暴れるような挙動が起こる場合は要注意。「古いからこんなもんか」と乗り続けているユーザーも多いそうだが、手入れによって快適性が大きく改善するポイントだ。
ブレーキ関係もリフレッシュで快適性が戻る。とくにサイドブレーキのマスタースプリングは反力が弱く、戻りが悪くなる傾向にあるので、ヴァケラッタCでは専用の対策品を用意している。もちろん、キャリパー自体のオーバーホールも行いたいところだ。
ハブベアリングもガタが出やすいポイント。リヤのハブベアリングはカプチーノの泣きどころの一つだったりするので、足まわりに不安を感じるようなら点検したい。
カプチーノは、軽自動車では珍しくPCD114.3を採用しているが、オフセットなどの関係で装着できるホイールは少ない。そのネガ要素を改善するために、ヴァケラッタCではPCDを114.3から100に変換するハブキットを販売。価格はベーシックキットが16万5000円、レーシングキットが20万750円となる。
ドライブシャフトのトラブルも急増中だ。ヴァケラッタCでは、以前はユニバーサルジョイントのみを交換していたが、それでも振動が治らない個体が増えているため、オリジナルでバランス取りを行ったプロペラシャフトメンテナンスメニューを新たに設定。価格は11万円で、交換後は駆動系が驚くほど静かになるケースも多いという。
「フットワークで言うと、サスだけでなく、駆動系やブレーキまでトータルで“良い状態”にすることがポイントです。まずは各部の傷んだ純正メカニズムをリフレッシュして、本来のカプチーノの性能を取り戻してほしいです。もちろん、合わせてカスタム&チューンを行うことも大賛成ですし、ヴァケラッタCでは、オーナーのライフスタイルに合わせたリフレッシュ&チューンを提案させていただきますよ」とは荒井さん。
必要な部分から順次リフレッシュを続けつつ、無理なくチューニングを楽しんでほしいというのがヴァケラッタCの願いだ。
⚫︎取材協力:ヴァケラッタC 静岡県浜松市北区都田町7547-130 TEL:053-489-7243
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