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ブースト1.8キロで800馬力に到達!
ベテランロータリーアタッカーが本気の3ローター仕様で復活
このFC3Sのオーナー加藤さんは、若かりし頃からドラッグレースにのめり込み、パイプフレームのボディに4ローターエンジンを載せて走っていた経歴を持つ強者。一度はチューニングシーンから離れたものの、4年前にこのマシンを譲り受け、改めてドラッグレースの魅力に取り憑かれてしまったという。
心臓部は13B-Tではなく、コスモの20B-REWを使った3ローターシングルターボ仕様が搭載される。なお、エンジン位置は前後重量バランスを最適化するためにバルクヘッド側に追いやっている。ストラットタワーから前方の不要なパネル類が撤去されているため、エンジンルームは非常にスッキリとした印象だ。
巨大なタービンはギャレットのGT4508R。最大ブースト圧は1.8キロ、8800rpmまで回し切って800馬力を絞り出す仕様だ。エンジンマネージメントはHKSのF-CON Vプロが担い、燃料にはスノコのレースガスを用いている。
室内もダッシュボードまでフルでリメイクされた超スパルタン仕様。センタートンネルに確認できる複雑なシステムは、ジェリコのエアシフタードグミッションだ。ステアリング脇に設けたパドルシフトで、クラッチ要らずの電撃シフトを可能にする。
ブーストの立ち上がりをアシストするために、ウエットショット式のNOSも追加。タンクはセンタートンネルの後方に設置している。
極太のリヤタイヤはフージャーのドラッグスリック(29.0/11-15)。これを収めるためにフェンダーは大きく加工されている。ドラッグレースに重要な駆動系&足回りは、GT-R用をゴッソリと移植することでR200デフ+マルチリンク化を敢行。強度とともにセッティングの幅を広げている。
このスペックで挑んだスーパードラッグフェスティバル2020では、セッティングに悩まされつつも(シャシダイと実走における負荷の差)9秒4を記録。今後もさらなるスキルアップとチューニングを進めながらタイムの短縮を目指していくそうだ。
●取材イベント:SUPER DRAG FESTIVAL 2020 FINAL in セントラルサーキット