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コーナリング性能の高さはM3と同等以上!?
ハチロク的な面白さを堪能できるチューンドBMW!
ドライバーズカーとして、伝統的にハンドリング性能を重んじてきたBMW。中でも当時、最もコンパクトかつ軽量なボディが与えられたE36/46は必然的にその傾向が強く、ノーマルでさえ“FR車としては世界屈指のハンドリングマシン”という評価を得ていた。
そのE36の中でも、軽量な4気筒エンジンを搭載した318isをベースにチューニングを施した一台が今回の主役だ。
エンジンは後期型に搭載された1.9L直4DOHCのM44型。前期型1.8LのM42型に対してボア×ストロークともに拡大されいる他、バルブクリアランスの調整に油圧ラッシュアジャスターが採用されるなど、メカニズム面の変更が見られる。
エンジン&ミッションマウントのブッシュはM3用を流用。M3には6気筒エンジンと6速MTが搭載されてるためゴム自体の硬度が高く、それを318isに使えば強化品になるのだ。
ECUチューンは純正書き換えで対応。燃調、点火時期の他、電子制御スロットルやVANOS(可変バルタイ)の最適化を図ることで、全域でのパワー&トルクアップやレスポンスの向上を実現している。
サスペンションはザックスベースのワンオフ品。フロントサスはストラット式。バネレートは16kg/mm。また、ブレーキは前後ともE46 325i用を流用して強化されている。
リヤサスはマルチリンク式を採用。バネレートは18kg/mmを基準に、フロントとのバランスを図りながら14〜16kg/mmという選択肢もアリだという。
ホイールは、軽さと強度の両立を追求したNEEZオーダー品。スペーサー追加やフェンダー加工ナシでジャストフィットするよう、サイズは8Jオフセット+28に設定される。タイヤは215/45-17サイズのアドバンA050。
ドライビングポジション改善のため、ステアリングはジュラン製ディープコーンタイプに交換。センターコンソールには油温&油圧計がセットされ、その右側にはECUセッティングの際に使うイノベート製A/F計も確認できる。
シートは運転席、助手席ともブリッドガイアスIIに交換。運転席にはサーキット走行に備えてタカタ4点式フルハーネスも装着される。
軽量化のため、リヤシートとサイドトリムは完全に取り払われている。
ドアトリムはプラスチック段ボールでリメイク。これも軽量化の一環だが、ドアハンドル&サイドミラー調整スイッチ部の造形に拘っている他、サイドウインドウの破損を防ぐため、裏面の要所にはスポンジを貼り付けるなどの配慮がなされている。
この他、各部のブッシュ類も快適性とスポーツ性能の両立を狙って製作されたジュラコン製のものに変更。
「ここまでやればE36が本来持っているコーナリング性能を引き出せます。コーナリングスピードだけで言えばM3と同等かそれ以上ですよ」とはオーナー。E36のポテンシャルの高さを思い知らされるチューンドだ。