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8年の歳月をかけて辿り着いた魅惑のパッケージ!
350馬力を安定して楽しめるタービン交換仕様
鈑金業を生業とするオーナーが、DIYで外装を仕上げたS15シルビアの登場だ。フロントバンパーはT&Eヴェルテックス“ラング”ベースのワンオフ仕様。フェンダーやサイドステップなどは完全なワンオフ品で、超攻撃的かつオリジナリティ溢れるルックスを構築している。
ショーカーではなく走りを楽しめるリアルチューンドとして製作されているため、機関系のメイキングも抜かり無い。エンジンはヘッドにHKSのステップ1カムを組み込みつつ、腰下に東名パワードの86.5φ鍛造ピストンを投入し、各部のバランス取りも行われた2.1L(2050cc)仕様。制御はパワーFCで行い、GCGのGT2871Rタービンにブースト1.0キロをかけて350psを発生させる。
冷却系はラジエター、オイルクーラー、インタークーラーともにHPI製の大容量品に交換されており、連続周回にも対応したクーリング性能が与えられている。
サスペンションはエンドレスのジール車高調(F8kg/mm R6kg/mm)。アーム類もスキッドレーシング製の調整式をフル投入するなど、ステージに合わせたセッティングが可能なスペックとされている。
ホイールはワークマイスターS1の18インチで、フロントが10Jマイナス16、リヤが11Jマイナス20。タイヤは、コースによってはSタイヤ扱いとされるナンカンAR-1を履く。
ブレーキはS15シルビア純正に対しアルミ製で軽量なER34純正キャリパーをフロントに、リヤにもスカイライン系の対向2ポットキャリパーを導入してストッピングパワーの強化を図っている。
室内はエアコン吹出口にデフィの追加メーターがセットされ、シートはレカロSR-7に変更。リヤの内装パーツは撤去済みだ。ミッションはニスモの6速、クラッチは小倉クラッチ製のメタルがセットされるなど駆動系も強化されている。
ちなみにロールケージこそ装着されていないが、ウルトラレーシング製のフロアバーやカーステーションマルシェ製すじがねくんなど、剛性アップパーツが多数投入されている。
その他、DIYでのフラットボトム化や、パラシュート効果の低減を狙ったエアロメイキングなど、各部にオーナーの拘りが詰め込まれたトラックスタンス仕様。チューニングの楽しさが伝わってくる1台だ。
PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)