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最後発エアロだからこその拘り・・・
走れるシャコタンを目指すオーナーには必見!
知る人ぞ知る関西の技巧派カスタムビルダー“LOOKING(ルッキング)”が、FD3S用のワイドボディキットをリリースした。
「最後発ですからデザインには拘りました。純正プラスアルファのイメージというか、知らない人が見たらこれが標準って思えるような自然なワイドスタイルを目指しました」とはルッキング浅田代表。ドリフトシーンではかなり名の知れた人物だが、同氏は生粋のFD3Sマニアにして造形職人。GT系一辺倒のFD3Sアフターエアロシーンにドロップキックをお見舞いするべく、長年温めてきた最強スタイリングをついに具現化したのである。
フロントバンパーは、アッパーカウル/ロアカウル/カーボンアンダーパネルの3分割構造を採用。ロードクリアランスの確保を目的に、最低地上高は純正と変わらない位置で設計しているのもポイントだ。なお、ワイドボディ専用デザインとなるため単体での装着は不可だ。
前後フェンダーも秀逸。フロント片側45mm、リヤ片側50mmのワイド幅としつつ、ボリュームを抑えたナチュラルなラインで構成しているため、この手のボディキットにありがちなボッテリ感は皆無。シルエット優先でウインカーホール等をあえて設けていないのも特徴的だ。
ちなみに、リヤフェンダーはリヤゲートとドアの内側までツメ(耳)が巻き込む形状のため、まるでスムージング加工したようなインストールが可能だ。フューエルリッドは純正をオフセットさせる構造としている。
ホイールはマイナスオフセットのワークVS-KF(F10J×17-16 R11J×18-12)を前後異径でセット。タイヤサイズはフロントが215/40-17、リヤが225/40-18を引っ張りで組み込む。
なお、FD3Sで極端に車高を落とすと、フロントタイヤがバンパー後部とフェンダー前部に干渉して全切りできなくなるケースが多いが、この製品は干渉ポイントをあらかじめカットしたデザインのため、問題なく全切り可能(インナーフェンダー加工前提/ホイールサイズやアライメントによってはリトラ固定フレームのカットも必要)だ。
「見せかけだけのシャコタンでは意味がないですからね。その辺りも考えて作りましたよ」とのこと。撮影車両の足回りはエアサスではなく車高調でセッティングし、キャンバーは前後ネガ5度(キャスターは7度程度)としている。
サイドにはFD3S本来の美しさを活かしたカーボンディフューザーをセット。前後のボリュームバランスを整えつつ、サイドビューに抑揚のあるアクセントを加えている。
リヤセクションには、純正ロアバンパーと交換するタイプのカーボンディフューザーを設定。撮影車両はオリジナルの4本出しマフラー(左側はダミー)を採用しているが、純正マフラー対応デザインのため、他メーカー品との組み合わせもOKだ。
車検対応のカーボンダックテールもオリジナル。ディフューザーとラインを合わせているため、リヤの統一感は完璧。
気になるキット価格(フロントバンパー/前後フェンダー/サイドデュフューザー)は72万円(税抜き)。ダックテール(10万円)とリヤディフューザー(12万円)はオプション設定となる。
「あまり宣伝する気はなくて…。イベントなどで気に入ってくれた方に特別割引プライスで販売するってスタンスです」。
大胆なフォルムながら、ストックボディのバランスを崩さないセンスこそルッキングの真骨頂。細部パートに至るまで、繊細なモデリング技術と経験が活かされていることは言うまでもない。決して安いエアロパーツではないが、FD3Sのエクステリアに新しい価値観を与えたいユーザーは、一度問い合わせてみてはいかがだろうか。
PHOTO:堤晋一
●取材協力:ルッキング 大阪府松原市天美我堂3-66-2 TEL:072-338-3411