目次
ZN6本来のスタイリングが映える超ロースタイル
計算し尽くされた足回りのセッティングで魅せる!
このZN6型86は、オーナーが社会人(取材時21歳)になると同時に手に入れた記念すべき相棒。フルエアロやワイドボディ仕様が当たり前のカスタムシーンにおいて、あえて純正エアロを軸にしたシャコタンスタイル=“純ベタ”を追求しているのがポイントだ。
控えめなリップやサイドスカートは装備しているものの、純正バンパー仕様でここまでのインパクトを放っているのは、極限まで下げられた車高はもちろん、拘り抜いた細部フィニッシュによるところも大きいだろう。
エクステリアはエアロパーツの樹脂部分を艶のあるブラックで塗装することで高級感を演出。社外エアロパーツを組み込むことなく、オリジナリティを演出しているのだ。
リヤウイングはモデリスタ。テールランプはヴァレンティが数量限定で販売したレアなモデルをインストールする。
フェンダーはワイド化することなくツメ折りのみで対応。足回りは、クスコの車高調(F14kg/mm R12kg/mm)にメーガンレーシングのアーム類をセットしてフロントに10度、リヤに11度のネガティブキャンバーを付けている。
ホイールはワークのマイスターM1。サイズは前後ともに18インチで10Jマイナス12の通し。タイヤサイズは215/35R18を引っ張りで組み付ける。標準的な足回りのセットでは9.5Jが限界とされる86だが、引っ張りタイヤ+ネガティブキャンバーの組み合わせによって、ワイドかつ深リムのホイールを履きこなしている。
室内は白と黒のモノトーンコーディネイトを目指して手を入れている段階。「86は元々ポイントポイントで赤が使われているので、そのあたりが手間なんですよね」とはオーナー。
ドライバーズシートはレカロのモータースポーツ用シートであるRMSを装備。聞けば、以前に真横から他車に突っ込まれる事故を経験したことがあり、その際フルバケットシートのおかげで無傷で済んだそう。それ以降、ドライバーズシートは性能重視の本物を選ぶようにしているのだ。
非常にシンプルな構成ながら、只者ではないオーラを放つ。この絶妙なバランス感覚はオーナーのセンスによるものだが、カスタム=「足し算」ではないことを思い知らされるクオリティだ。
PHOTO:土屋勇人