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対応出力は500馬力から1000馬力オーバー!
無限の可能性を秘めた新GTタービンシリーズに迫る
HKSのGTタービンシリーズが次なるステージへと足を踏み出した。GTII、GTIIIを軸に据えた既存ラインナップはそのままに、新たにユニバーサルタービンシリーズが5機種も追加されたのだ。
その狙いは、既存のラインナップではフォローしにくかった出力性能を埋めること。例えば、GTIII-4RとGTIII-5Rとの隙間にあった750ps前後をGT6290_BBが担う。製品名の頭2桁がタービンホイールの径を、後半2~3桁が想定最大出力を示す。つまり、最高峰のGT75115_BBは1000psを難なく許容するモデルというわけだ。
コンパクトなボディ設計もこのシリーズの大きな特徴だ。これは、ギャレットのハウジングを使い、HKSが有するあらゆる技術を突き詰めた結果だという。
コンプレッサーハウジングは、吸気の循環経路を穴で成型することで入口径を広く、そして滑らかに取ったベルマウス形状ポーテッドシュラウドを採用。吸気性能はもちろん、吸気音などのサウンドにも拘ったそうだ。
ブラックアウトされたハウジング表面は、高耐腐食性アルマイトコーティングによるもの。耐腐食性に優れ、長期的な信頼耐久性を約束する。2020年に限定販売されたGTII8267を彷彿とさせる、ブラック×ゴールドのコンビネーションが独特の存在感を放つ。
軸受けはボールベアリングを採用。シャフトとボールが点接触しているイメージだが、実際にはエンジンオイルによってわずかにフロートしている…という点は覚えておくべき豆知識だ。
排気ガスの導入部と排出部(or制御部)から構成されるタービンハウジングは、求める出力に応じて各モデル2種類のA/Rを設定している。
このパワーグラフは、GTIII-4RとGT6290_BBを比較したもの。エンジンは2JZ-GTE改3.4L仕様だ。GTIII-4Rは3000~4500rpmの領域でGT6290_BBを上回っているが、5000rpm付近をピークにパワーが低下。一方、GT6290_BBは5000rpmを超えても伸び続け、それが7000rpm手前まで持続している。より高回転志向のスペックとなり、最高出力では130psほど上回るのだ。
なお、販売はタービン単体(汎用品)が先行となるが、現在、HKSでは車種別専用キットの開発を視野に入れて主要エンジンとのマッチングが進められている。HKSのターボチューニングは、まだまだ終わらないのである。
PHOTO:金子信敏/REPORT:中三川大地
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