「ワゴンボディでこの速さは異常だ!」GT-RをブッちぎるGF8インプレッサの勇姿

ダウンフォースとボディの煮詰めで55秒台突入!

オーナードライブ+Hパターンミッションで驚異の走り

日本一熱いタイムアタックイベント『Attack筑波』にて、驚異的な速さを見せつけているのが今回紹介するGF8型インプレッサワゴンだ。

所有歴25年オーバーという新車ワンオーナーの個体で「スキーに行けて、走りも楽しめる実用性重視の選択でした」とオーナーは話すが、ディレッツァチャレンジを始めとするサーキットイベントに参加してるうちにチューニングがエスカレート。愛知県の“ラック”によって、2021年シーズンには筑波55秒台をマークするほどのサーキットスペックへとモディファイされた。

エンジンはEJ25ブロックを使用して新規製作されたもの。コスワース製のピストンやクランクを使用して2.6L化が図られており、そこにGRBベースのチューニングヘッドをドッキング。GCGのGTX3076タービンに2.2キロのハイブーストをかけて実測540ps/80kgmを絞り出している。

制御はグループN競技参戦用に開発されたGDB用のモーテックM800にて行われている。オイル供給システムはドライサンプだ。

サスペンションはラックオリジナルのelスポーツ(エルスポーツ)V2−DFAダンパーがベース。フロントのスプリングはベステックス製18kg/mm+ヘルパー、リヤはサスペンションプラスのUC-01スプリング15kg/mm+ヘルパーという仕様だ。「強化スタビなどは投入していますが、バネは柔らかく。底突きしないギリギリを狙ったセットです」とのこと。

ワイド化されたフェンダーに収められたホイールはフロント10.5J、リヤ10JのアドバンレーシングRSIIで、タイヤは前後ともに295/30-18サイズのアドバンA050を組み合わせている。ブレーキはフロントがエンドレスのレーシング6ポット、リヤがGDB純正ブレンボの2ポットを投入する。

室内はドンガラのシングルシート仕様。フルスポット増しを行なったボディに、キャロッセベースのワンオフロールケージを溶接固定することで驚異的な剛強ボディを作り上げている。車重は約1200キロだ。

一方のミッションはPPG製の強化6速ドグを採用。Iパターンのシーケンシャルを導入する車両が急増する中、あえてHパターンで戦い続けているのだ。

助手席位置にはドライサンプ用のオイルタンクとコレクタータンク、ウォータースプレー用のタンクをマウント。左右の重量バランスにも拘っているのだ。

エアロパーツは鈴鹿の名門“ボルテックス”が手掛けたカーボン製の逸品。大型のフロントディフューザーやリヤウイングは今回から導入された武器だという。予算の都合上、ドライカーボン製ではなくウェットカーボン製とのことだが、驚異的なダウンフォースを発生させる。

これまでのベストタイムは55秒784だったが、当日は自己ベストを1秒以上も更新する55秒071をマーク! 見事、筑波タイムアタックランキング歴代30位(2022年7月現在)に躍り出た。ワゴンボディでこの速さは異常という他にない。さらなる躍進に期待したい一台だ。

●取材協力:ラック 愛知県長久手市岩作琵琶ケ池20-1 TEL:0561-63-0101

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