目次
コペンにストーリアのK3-VE2エンジンを換装!
1.3LのNA+ストレートマフラーでレーシングサウンドを奏でる
ベース車両にL880Kを選び、クローズドコース専用と割り切って、迫力たっぷりのレーシングサウンドを奏でる本格派サーキット仕様の製作に着手した“プロバイル”。
製作する過程で最も悩んだのはエンジン。官能的なレーシングサウンドを導き出すには、やはり660ccのターボエンジンでは物足りない。だからといって、軽自動車のNAチューンではサウンドが良くなったとしても、大幅なスペックダウンは否めない。
そこで、最終的に選択したのが、これまでにも数多くの公認車両を手掛けてきて実績のある、1300ccNAへの換装。使用するのはストーリアに搭載されていたK3-VE2だ。
同じ排気量でもコペン輸出仕様のK3-VEが90psであるのに対し、ヘッドのチューニングやハイコンプ化、ハイオク仕様への変更などで110psの最高出力を絞り出す。これならJB-DETでネックとなるトルク不足や高回転域での頭打ちが一気に解消でき、ストレートマフラーと組み合わせれば、かなり刺激的なサウンドを奏でるのは間違いないと確信した。
換装には配線の一部加工が必要となる他は、基本的にポン換えが可能な手軽さが魅力。費用もタービン交換仕様と同程度のコストで製作でき、ノーマルエンジンでパワーとトルクがあるため、トラブルリスクが抑えられる。
エンジン特性もNAなので唐突感がなく、タレのない加速と伸びが期待できる。さらに発熱量が減り、ヒート傾向も緩和できるなど、サーキット仕様に仕立てる上でのメリットは非常に多いのだ。
なお、大容量ラジエターの搭載スペースを確保するため、輸出仕様のコアサポートを導入。そこに輸出仕様のラジエターを設置する。街乗り仕様であれば、エアコンコンプレッサーなどの設置スペースも確保しやすくなるはずだ。
重要なエンジンマネージメントは、換装したエンジンと同じストーリアのECUで制御している。
メーターも180km/hスケールのストーリア純正へと置き換えられる。ストーリア純正ECUで制御しているので、スピードメーターやタコメーターはもちろん、燃料の残量表示なども問題なく作動する。
エンジンとともに5速MTもストーリアからスワップ。ファイナルもストーリア純正の4.1だが、中山サーキットでシェイクダウンをしてみると、全体的にもう少しローギヤード化が必要だと分かったため、流用ファイナルなどを模索していくようだ。
デモカーではフロントのトレッド拡大とキャンバー角の増大を実現するため、ドライブシャフトとロアアームはストーリア純正を流用。その結果、フロントキャンバー角はネガ2度半となった。ホイールはボルクレーシングTE37(FR14×5.0J+35)で、タイヤには175/60R14のディレッツァZIIを選ぶ。
パワー系チューニングは高効率マフラー(ワンオフ仕様)の導入程度だが、それでも実際にサーキットで走らせると、痛快なサウンドが堪能できるという。
代表の竹田さんは「ギャラリーが沸いてくれれば、それだけで満足です」と謙遜するが、プロバイルの製作する魔改造マシンが見せかけだけのハリボテで終わったことなど、これまでにない。どれも、走ってこそ楽しさが分かる本当のチューニングカーばかりなのである。
●取材協力:プロバイル 兵庫県佐用郡佐用町宗行41-2 TEL:0790-83-2238
【関連リンク】
プロバイル
http://www.provile.co.jp/