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2台のツイン改ターボ仕様が吠える!!
ツインリンクもてぎのドラフェス・イーストに姉弟で参戦
新世代のシティコミューターとして2003年にデビューしたスズキ・ツイン。全長2735mm、ホイールベース1800mmというディメンジョンは紛れもなく国内最小クラスで、最小回転半径はフルキャブオーバー型軽トラックとほぼ同等の3.6mを誇る。
コアでディープなファンが多い軽自動車だが、そんなマイクロコンパクトで仲良くドラッグレース(ツインリンクもてぎで開催されたドラッグフェスティバル2022・イースト)に参戦する姉弟が今回の主役。それぞれのスペックを見ていく。
弟の拓海さん(18歳/取材時)が駆るツインは、生粋のドラッガー(スープラでゼロヨン8秒4を記録している人物)である父の和博さんが腕を振るった遊びグルマだ。
心臓部はアルトワークスのK6Aターボエンジンに積み替え、さらにモンスターの鍛造ピストンとNEWSのコンロッドで排気量を718ccまで拡大。そこに特注ハイカム(IN/EX264度)と日立のHT-07B改ハイフロータービンをセットし、150psを絞り出している。エンジンマネージメントを担うのはLINKのATOM-Xだ。
全てがコンパクトに設計されているツインは、熱対策も重要なチューニングポイント。この車両はKCテクニカの大容量ラジエター&オイルクーラー、PRGの前置きインタークーラーを組み込んで強化済み。
足回りはテインの車高調(F3kg/mm R2kg/mm)を軸に構築。他車種のリヤアクスルを移植してディスクブレーキ化している点も見逃せない。
オリジナルの50mmワイドフェンダーに収まるタイヤは、15インチのアドバンA050(FR195/50-15)。ツインとは思えないロー&ワイド感がチューニング指数を高める。
ボンネットはFRP製で、ヒートエアを強制排出するためのアウトレットダクトも設けられる。
シンプルにまとめられた室内。純正メーターは役に立たないため、後付けのタコやA/F計を見やすい位置にセットする。ロールケージはサイトウロールケージ製、ステアリングはMOMOのフルスピードだ。
純正がチープなドア内張りにはカーボンパネルをあしらってドレスアップするなど、細部まで拘ったメイキングが光る。
一方、姉の和希さん(22歳/取材時)がドライブするツインは、オートマをベースにした仕様だ。ドラッグレースに姉弟で参加申し込みはしたものの、考えてみたらMTが不慣れ…という和希さん用に、父親が急きょ用意した借り物だったりもする。
弟のツイン同様に、エンジンはアルトワークスのK6Aターボユニットを換装。エンジン本体はノーマルながら、テイクオフのチューンドECUを組み合わせることで、最大ブースト圧1.0キロ時に90psを発揮する。
インタークーラーはSKガレージのオリジナル上置きタイプをセット。スペース効率とパフォーマンスのバランスを図っている。
エキゾースト環境は、2台ともイコール。ボスコのフロントパイプからオートジュエルのマフラーに繋がるレイアウトだ。
車高調はシュピーゲル(F3kg/mm R2kg/mm)で、足元はクラシックなイメージを持つワーク・エキップ03のリバイバルモデル(15×5.5J)をセット。あくまでもストリート仕様で、スタイリングを重要視しての選択だという。
エクステリアはMRワゴン用のリップやリヤウイング、TMガレージのサイドステップ等でドレスアップ。ボンネットもダクト加工が施されたFRP製に変更されている。
レース本番では、2人とも初参戦だったにも関わらずアクセル全開の堂々とした走りを披露。リザルト(1000ft)も弟が14秒9、姉が15秒3と、好タイムをマークしたのだ。今後も姉弟で競い合いながら、チューニングカーライフを楽しんでいってもらいたいものだ。
●取材協力:ドラッグフェスティバル実行委員会
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