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VG30DETT改3.1L+GT2530ツインターボで670馬力!
77.8キロの高トルクが1.6トンの車重を忘れさせる!!
「軽量化ナシでどこまで戦えるか?」というテーマで開発された“ペントルーフ”のZ32。車重は1.6トンを超えるものの、それに負けない実測668.8ps/77.8kgmという強烈なエンジンパワーを持つスーパーチューンドだ。
そもそもZ32に搭載されるVG30DETTエンジンは、激しいサーキット走行を行なうとヘッド内のオイルが偏ってしまい、ブローバイに大量のオイルが混じってしまうという弱点がある。そのまま走ればブローバイとともに出てきたオイルがサクションパイプに戻され、吸入空気と一緒にエンジンに入って白煙モクモクという状態に…。
この弱点を克服することが、VG30サーキットチューンの第一歩。ペントルーフは、ブローバイキャッチタンクを設けてオイルとガスを分離した後、オイルのみをオイルパンに戻す加工を施して対策済みだ。
このファーストステップを行った後は、シリンダーのボア径を2mm拡大し、3097ccへと排気量アップ。クランクのフルバランス取りや、東名パワードのラッシュキラーとハイカムを使用し、高回転まで淀みなく回る大排気量のベースエンジンを完成させた。圧縮比は8.5の設定だ。
このエンジンに組み合わせるタービンは、HKSのGT2530ツイン。排気量3000ccオーバーのチューンドエンジンに、GT2530の組み合わせによる中回転域のトルクや高回転域のピークパワーは想像以上。扱いやすさと強烈な加速Gを体感できるパワーを手に入れているのだ。
サスペンションは、テインの車高調をベースに減衰力をリセッティング。ブレーキはオリジナルのブレンボキャリパーキットを装着し、約1.6トンの重量にも負けないストッピングパワーを確保する。デフはファイナルギヤの選択肢を広げるためにR200を換装して、東名パワードの機械式LSDをセット。現在はトルク特性とマッチングが良い4.1ファイナルを組んでいる。
また、Z32でサーキットを走るために欠かせないのがアライメントの調整。とくに前後のキャンバーは車体の動きを大きく変えるため、調整式のアッパーアームの装着は必須項目。フロントに2度半以上、リヤに2度以上のネガティブキャンバーを付けることで旋回性能を高めている。
エクステリアは、熱対策のために無数のダクトが設けられたペントルーフのオリジナルフルエアロで武装。タイヤはアドバン048(255/40-17)のMコンパウンド、ホイールはボルクレーシングTE37だ。
室内は街乗りを犠牲にしないことをコンセプトにしているため、エアコンやオーディオなどの快適装備も撤去されていない。メーターはオートメーターのシフトランプ付き大型タコメーターを軸に再構築している。
ロールケージはリヤ4点+サイドバーの構成で、乗降性を犠牲にしないメイキングが特徴だ。また、燃料の片寄りによる燃圧ドロップを防止するコレクタータンクは、燃料タンク内に設置。燃料ポンプもF-CON Vプロで電圧制御し、アイドリング時の作動音を小さくするなど街乗りを快適にする小技も効かせている。
この仕様で、筑波サーキット1分3秒431をアッサリとマーク。快適にストリートを楽しめて、その気になればGT-Rにも負けない加速力を発揮する圧巻の戦闘力。まさにZ32チューンドのひとつの究極系だ。
●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840
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