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オーバー700馬力の2JZ改3.4Lで重量級ボディを加速させる!
試行錯誤の末に完成した“走れるVIPカー”
国産最高峰の超VIPサルーンであるセンチュリーに、2JZのフルチューン3.4L仕様を換装してしまったというのは、兵庫県にある“フィフティーオート”。10秒台の本格ドラッグチューンドや、7M換装仕様のAE86など、常識に捉われない速くて個性的なチューニングを得意とするショップだ。
今作についても「12気筒が乗ってるんだから、6気筒の2JZは余裕でしょ!」と、軽いノリで製作したというから恐れ入る。
エンジン本体は87φ鍛造ピストン、94mmストロークのクランク、H断面コンロッドからなるHKSのキャパシティアップキットで3352ccまで排気量を拡大。組み合わせるタービンはTO4Zで、最大ブースト圧1.8キロ時に780psを発生させている。2トンという超重量級のセンチュリーでも、弾丸のように加速するパフォーマンスを手にしたのだ。
一方の足回りは、VIP系ユーザーから絶大な支持を得ているTディメンドのプロダンパー車高調を軸に構築。フロントのアーム類は、アッパーアームやロアアーム、テンションロッドまでを同じくTディメンドのプロアームに変更してアライメントの調整幅を拡大している。
リヤもアッパーアームからロアアームまで全てTディメンドのプロアームを導入。「走れないシャコタン、走れないVIPと言われるのが嫌!」というフィフティーオートの強い拘りが感じられるポイントだ。
ホイールはワークのジスタンスW10M。サイズはフロントが10Jでリヤが10.5J。ここにフロント215幅、リヤ225幅のタイヤを引っぱりで組み付けている。
センチュリーでは考えられないが、前後ともブレーキはAPレーシングのキャリパー&ローターをセット。実のところ、ブレーキはセッティングにかなり苦労した部分で、このセットに辿り着くまでに3つのメーカーのキャリパーキットを試したそうだ。
マシンメイキングに関して大きな問題は無かったが、走り出すとギヤ比が合わなかったり、トルクが足りないなど多くの不満が発生。そのため、幾度となく仕様変更の苦労を味わった。そしてトライ&トライを繰り返し、ついにスポーツカー勢にも負けないパフォーマンスを秘めた最強のVIPサルーンが完成したのだ。
●取材協力:フィフティーオート 兵庫県加古川市西神吉町岸143-4 TEL:079-431-7020