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SR20DET載せ換え&ドリ足製作でもはや動きは全くの別物
昭和設計の仕事グルマをドリ車に変貌させる各部のメイキングに注目
10台以上のダットラを乗り継いできたというガレージミニッツの作田代表。ハイラックスのオフロードカスタムなどで知られるショップだが、「トラックもドリフトも大好きだから!」という理由でこれまでRB26搭載&パイプフレームの白い720やSR搭載の赤いD21など、トラックをベースとしたドリフト仕様を手掛けてきた。
そして今回紹介するのは、このガンメタのD21。製作のポイントは「これまでの仕様よりも現実的!?でユーザーも頑張れば真似できる範囲」とのこと。
トラックゆえに「トーションバーとリーフスプリングのトラックの足のままではドリフトは絶対無理!」ということで、まずは足回りのフルリメイクを敢行。
ダットラのフロントサスはトーションバー式だが、ノーマルショックとアッパーアームを活かしてバネを取り付け、トーションバー自体はほとんど機能していない状態になっている。ナックルはショート加工で切れ角をアップ、それに合わせてタイヤハウスのカットやテンションロッドの逃げ加工も施されている。
リヤは本来なら板バネとホーシングだけの構成だが、鉄板でブラケットを製作してラテラルロッドとアッパーリンクを装着し、リーフ式をマルチ化しているのが最大のポイント。以前のクルマは板バネを外して4リンク化していたそうだが、公認車検を取ることも想定し、今回はあえてリーフ式に拘っているのだ。
車高を下げてリヤのホーシングが上になった分だけ、荷台をカットしてストローク量を確保。さらに、車高調を取り付けるストラットタワーをパイプフレームで製作した。リヤ車高調はあくまで車高調整用で、バネレート的にはあまり実用性はないとか。
荷台はすでに燃料タンクとサスペンションで半分が使われているので、トラックだけど意外とタイヤが積みにくい。ちなみにホーシングは兄弟車であるテラノのもの。デフがダットラのものよりも大きく、耐久性に優れるのだそう。
足回りのメイキングは非常に凝ったものだが、それだけでドリフトが可能になるほど甘くはない。ノーマルエンジンでは話にならないので載せ換えは必須だという。そこでT78タービン仕様で約700psを発揮する2.2LのSRエンジンをスワップ。マウントはRBエンジン用をベースにワンオフ製作している。インナーフェンダーがないので、タービンのすぐ下にアッパーアームとストラットが見える。
エンジンルームは横のスペースは余裕があるが、縦方向はややキツめでコアサポートをカットしてラジエターと電動ファンを取り付け。大容量サージタンクと100Φビッグスロットルは海外製品だ。
ミッションは強度アップのためにZ33純正6速を加工流用。SRエンジン用のベルに取り付けられるように、Z33のケースを加工してボルト用のカラーを溶接。プロペラシャフトはZ33の受け軸を使いつつ、軸が太い他車種用を切り詰めて使用している。
ドリフトに重要なサイドブレーキは油圧タイプを追加。取り付け位置がかなり低くなるため、ロングレバー加工されている。ダッシュ上のパワトラは、エンジンルームの熱害から逃がすために車内に装着した。助手席のシルバーの箱は点火系パーツのスプリットファイア・Dスパークマックス。
ホイールはSSRのプロフェッサーMS1(F10.5J+20 R12J+20)で、タイヤはケンダKR20A(F245/35-18 R265/35-18)をセット。外装は鉄板溶接フェンダーなど加工されており、非常に自然なワイドボディに仕上がっている。
平成9年式ではあるが基本設計は昭和のトラック、ドリフトしている際のサーキットでの注目度は半端ではない。なお、完全にこの仕様にしようとするとかなりの金額がかかるそうだが、そんな趣味性の高さもドリフトトラックのインパクトに繋がっているのだろう。
●取材協力:ガレージミニッツ 北海道北見市西三輪7丁目706-2 TEL:0157-36-4753
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