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ロードスターRFのエンジンをスワップ!
184馬力エンジンでND5RCの走りが激変
人馬一体感のあるオープンスポーツを目指し、1トン切りを果たす軽量化が施されたND5RC型ロードスター。心臓部こそ先代NC型の2.0Lに対して大幅にダウンサイジングされた1.5Lとなるが、コンパクトな軽量ボディとの相性で心地良い人馬一体感を楽しませてくれる。
そんな逸材を刺激的な走りが楽しめるスペックに仕上げようと立ち上がったのが、マツダのお膝元である広島県に拠点を構える“レッグモータースポーツ”だ。
これまで吸排気チューンやハイカムなどセットアップを進めてきたが、1.5Lエンジンはチューニングの伸び代が少ないと判断。そこで注目したのが、トルクフルな2.0Lエンジンを搭載し、リトラクタブルハードトップとともに走りの優雅さにウエイトを置くロードスターRF(NDERC)だ。
そして、RFに搭載されている2.0LエンジンのPE-VPRがND5RCの走りを一層楽しくするとデモカーで確認した上で、ユーザーが安心して真似できる公認メニューを確立したのである。
「ボア径を広げたり、ポートを削ったりしてポテンシャルアップできた昔のエンジンと違い、スカイアクティブGは手を加えようがない素材なんですよ。実は速さを引き出すためというより、オーバーホール時の楽しみすらない現状をなんとかしたいと思って、エンジンスワップでの排気量アップへ取り組みました」と語るのは、レッグ代表の倉迫さん。
2022年10月時点で補機類なしの新品エンジン単体価格はP5が29万4690円、PEが30万5140円。スワップ時にPE用インマニやインジェクター、排気系などを追加する必要はあるものの、エンジン本体がわずか1万円チョイの価格差なら、単純オーバーホールよりも2.0L化で得られるポテンシャルアップへ取り組む方が断然お得だ。
見た目は大きく変わらないものの、クリーナーボックスからインマニまで吸気系は全てPE-VPRを使用する。エアフロは共通だが、クリーナーボックス内径などは異なっているのだ。
エンジンスワップ時にエンジンハーネスやECUユニットの変更は不要で、ECUをPE-VPRのデータに書き換えればOK。ただし、デモカーはアイドリングストップなどが搭載されていないP5-VPだったため、チェックランプが点灯しないようにデータの最適化を行なっている。
触媒の遮熱板にPEの刻印が記されている関係もあって、公認取得には排気系も一式PE-VPR用に変更する。ただし、アフターパーツのマフラーにはP5/PE共通で認証取得しているアイテムもあるため、愛用しているマフラーで公認OKなケースもあり。
ミッション本体は共通なので変更せずに済むが、フライホイールが異なるためにクラッチ交換は必要。レスポンスアップの効果も得られるため、ノーマルへ交換するよりもORC・250ライトでの交換を推奨している。
安心して2.0L仕様が楽しめるように、レッグでは公認まで含めた排気量アップメニューを確立。駆動系変更の有無で価格は大きく変わるが、エンジンや必要補機類、スワップ作業、公認取得まで全て含めて100〜150万円で提供する。
「PE-VPRへのスワップで少し重くはなりますが、フロントヘビーというほどじゃないし、スプリングにプリロードを少しかける程度でOK。高回転まで気持ち良く吹けて、低中速トルクも頼もしいので、2.0L化すると走りが一気に楽しくなりますよ。多くのパーツが共通でスワップコストを抑制できますし、オーバーホール時に選択肢の一つを加えられたと思います」と倉迫さん。
なお、現状で公認スワップOKとなっているのは後期MTモデルのみだが、前期MTモデルでの公認スワップにも取り組んでいくとのこと。フルノーマルでスワップしても高い満足度を得られるが、基本スペックが高いPE-VPRならば、吸排気チューンやECUセッティングで200psオーバーが十分に狙っていける。ND5RCユーザーは大幅ポテンシャルアップが果たせる2.0L化メニューを要チェックだ。
●取材協力:レッグモータースポーツ 広島県安芸区船越南3-18-13 TEL:082-823-5888
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レッグモータースポーツ
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