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チリひとつないエンジンルームに佇む1000馬力の2JZ
本場NHRAのパーツが盛り沢山!
2006年頃からJZZ30型ソアラでドラッグレースに参戦するようになったオーナー。当初はクラッシュやブローを心配していたようだが、仙台ハイランドのドラッグコースを走ってからはその楽しさに魅了され、ゼロヨン人生を邁進中だ。
このソアラは2台目のマシンで、3.1L仕様の2JZを搭載した1台目はクラッシュで廃車。新しいハコにエンジンを含めて使えるパーツを移植し、そこからさらにステップアップすることで現在の仕様が完成している。
細部を見ていく。チリひとつない美しいエンジンルームに換装されたのは、HKS鍛造ピストンとブライアンクロワーのクランクシャフトを組み合わせた3.4L仕様の2JZだ。カーボンメイクを得意とするサブライブによるエアファンネルやポリッシュ加工されたアルミパーツのコンビが、強く、美しいエンジンを作り上げている。
過去にはT78やTO4Zなど様々な特性のタービンを試し、現在は高回転でのパワーを伸ばすためにT51R BBタービンをセレクトしている。最高出力は1000ps。3.4Lの排気量とNOSによるサポートもあり、タイムは徐々に伸び、10秒フラットを叩き出すまでに進化している。
NOSの噴射にはNXマキシマイザー4を使用。これによって回転数や車速、A/Fなどの情報から噴射量を細かく制御。タービンの立ち上がり回転域や変速時のカットによるATミッションの保護、ホイールスピン時にカットしてトラクションをコントロールするなど、効率の良い加速に貢献している。タンクは室内の助手席部分に設置している。
ダッシュボード上にメーター類を置かず、ドライバーは400mアタックに集中できる室内を構築。唯一の大径タコメーターはロールケージに固定。シフトゲートで操作されるミッションはシュヴェーレンの強化4速ATだ。サイドブレーキは延長加工され、ステージングの調整を容易にしている。
運転席後方にはオイルキャッチタンクを設置。ただ、主な役割はトランクルームに置かれた負圧ポンプでブローバイガスを強制的に引き抜き、エンジンをスムーズに回転させることにある。ポンプには本場のプロストックカーが使うハイパワーポンプを使用している。
トランクルームには燃料タンクの他に、トラクションを向上させるためのバラストが搭載される。金色のポンプがブローバイガス引き抜き用負圧ポンプとなっている。
フロントバンパーはサード製をベースにサブライブで加工したもの。全長を伸ばすことで、プロストックマシンのような特徴あるフォルムを演出している。
リヤタイヤは強烈なグリップ力を誇るフージャーのドラッグラジアルタイヤを履く。フロントのホイール同様、リヤ用にもウェルドレーシングのホイールを履く予定だったが、取材日は間に合わなかったそうだ。
なお、マシンに使われている各種装備には、ドラッグレースの本場アメリカNHRAでも使用される“本物”ばかり。ブローバイガスを引き抜く負圧ポンプには、プロストックマシン同様の強力なポンプを使用し、サブライブ佐分代表との通信に使われる無線もNHRAスペックなのである。
サブライブと二人三脚でAT仕様の限界に挑戦するJZZ30ソアラ、いやはやハンパではない。(OPTION2誌 2013年9月号より)
●取材協力:サブライブ富山県富山市手屋2丁目18-20 TEL:076-482-3751
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サブライブ
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