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レーシングカーさながらのボディワークで1050kgまで軽量化
メインフレームを加工して迫力のスタイリングと走りを実現!
「どこまでGT300車両に近付けられるか」をコンセプトに製作が進められたS15シルビアの登場だ。軸となるエクステリアは、とあるガレージセールで入手したという本物のGT300マシン用エアロをセットしているというから恐れ入る。
心臓部は、戸田レーシングの鍛造ピストンとアペックスのH断面コンロッド&フルカウンタークランクを組み合わせたSR20改2.2L仕様だ。そこに東名パワードのM7960タービンのセットして、ハイレスポンスな400psを作り上げている。
さらに、インタークーラーはチタンパイピングを介してVマウントで配置。非常に美しいエンジンルームだ。なお、エキゾーストシステムは助手席側フェンダー下から最短距離で排気する、ワンオフのサイド出しとしている。
室内を覆い尽くすロールケージは完全ワンオフのフル溶接仕様で、当時のGT300シルビアを参考にレイアウト。ここまでパイプを使うと重量増が懸念されるが、ハイレベルなボディワークと徹底した軽量化によって、車重は1050kgまで絞り込まれている。
リヤには1785mm幅のフラップ+ガーニーフラップを有する、大型のGTウイングをセット。強烈なダウンフォースに負けないよう、マウントステーはトランク貫通で補強バーと接合される。ちなみにトランクパネルを開ける際はウイングを一度外す必要がある。
下回りの作り込みも驚愕のレベル。フロアを一度完全にカットした上、デフやアームの取り付け位置を最適化してから再構築。これによりフラットフロア化と低車高を実現しているのだ。併せてサスペンションはワンオフのアームやFD3Sナックルなどを駆使し、前後ダブルウィッシュボーン式へと構造変更している。
異径ステアリングにパーカルのラップコムメーター、オルガンペダルなどレーシングカーを意識して作り込まれたコクピット周り。ダッシュボード以外の不要なパネル類や快適装備の類いは全て撤去。ミッションは、HPIの6速強化クロスを奢る。
イメージとしては“JGTCマシンのボディにチューニングカーのパワートレインを積んだ”という感じだが、これを実現するための労力は半端じゃなかったはず。単なるレプリカでは終わらせない純血サーキットスペック、見事すぎる!