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早くも多様なチューンドRZ34が登場!
事前の予想通り、東京オートサロン2023の舞台には数多くの新型Zが展示された。チューニングカーはもちろん、ドレスアップ系、パーツメーカーのデモカーなどそのバリエーションは多岐に渡る。今後のカスタムシーンにおいて新型Zがどのような存在となるかはまだまだ未知数の段階だが、そのヒントを模索すべくWEB OPTIONでは出展された全ての新型Zを取材。その内容を紹介していく。
ヴェイルサイド FFZ400
東京オートサロン2023(東京国際カスタムカーコンテスト)のドレスアップカー部門で最優秀賞に輝いた“ヴェイルサイド”FFZ400。このマシンは映画「ワイルド・スピード」の次回作(2024年公開予定)に出演する国際的俳優サン・カン氏からの直接オファーで開発。誕生前からスターになることが約束されたチューンドなのだ。
「フェンダーを切らないでほしい。もっと手軽にユーザーがカスタマイズできて、カッコ良い。そんな夢のあるキットをお願いしたい」。
サン・カン氏から横幕代表へのオーダーはこのひとつ。フェンダーを切ってワイド化すればデザインの自由度は増すが、その分、装着するためのハードルは高くなる。プラス10mmという制限の中で、どこまで表現できるか。難易度は高いが、その話を聞いて横幕代表は大いに製作意欲が沸いたそうだ。
基本デザインは「鎧」がモチーフ。そこにフェアレディZが持つ繊細でスピーディなボディラインを損なうことなく、美しさと力強さを兼ね備えたフォルムを目指した。
ボディサイドに追加されたキャラクターラインは研ぎ澄まされた筋肉を表現し、リヤスポイラーと繋げることでワイド感を強調。流れるようなフォルムは貴婦人と呼ぶに相応しい色香がある。また、ボンネット/リヤウイング、内装にはVeilSideロゴのモノグラムを採用。さりげなく、流行のファッションを融合させる横幕代表のセンスには脱帽だ。
独走のフォルムに注目が集まりがちだが、全てのパーツは見せかけではなく、機能部品として考え抜かれていることはあまり触れられていない。デザインだけでなく、細部まで性能を追求した結果、生まれる真の戦闘スタイルこそがヴェイルサイドエアロの真骨頂だ。
「僕の作品は実際にハイスピードな領域までクルマを走らせることを前提に、デザインと構造上の強度を両立させることを考えている。今回で例をあげると、ボディサイド後端のガーニッシュはサイドスカートを支える補強の役割を果たし、フロントフェンダーのアウトレットベントもフェンダーの取り付け強度を高めている。デザインの世界だからカッコ良いものを作らなければいけないけど、クルマは走ってナンボだからね」と横幕代表。
美しさだけでなく、機能性まで含めて拘りを具現化していることこそ、ヴェイルサイドのエアロキットが高い評価を得ている理由だ。FFZ400も、歴代フォーチュンモデルのように多くのファンから愛されるに違いない。
ガレージ力 RZ34
フェアレディZを筆頭に日産車のチューニングを得意とする三重県の“ガレージ力”が、サーキットを連続周回するのに最低限必要なメニューをパッケージとして速攻チューン。
「新型で真っ先に着手したいのはブレーキ。Z34でキャパシティがギリギリだったので大型化は必須。なので、標準車を買って、STとの差額分をブレーキに回しました。今回はENDLESSのRacing MONO6TA&MONO4TAキャリパー×390mmローターを組み合わせています」と中久木さん。
サスペンションは、サスペンションプラスと共同開発したオリジナルのスプリングで車高を20mmダウン。パワー系はNISMOのスポリセタイプ2とオリジナルマフラーで、NISMO GT LSDでトラクション性能を高めた。ホイールはボルクレーシングNE24の19インチだ。
KUHL JAPAN KRUISE KR-RZ34RR
『魅せる』を知り尽くす“KUHL JAPAN”は、ファーストエディションと言えるKRUISEシリーズのRZ34用エアロを発表した。
フロントリップ/サイドステップ/リヤディフューザーは末広がりなデザインでボリューム感を持たせ、ワイド&ローのスタイルを構築するとともに、疾走感を与えることも念頭に置いているという。
フロントリップにダクトを設けるのはKUHLエアロの伝統だ。今後はワイドボディキットまで開発していくそうだから期待したい。
なお、大径の2テールマフラーはKRUISEシリーズ専用品で、足元も同社の7×2スポークのコンケイブスタイルの「VERZ-KRONE KO2」をセット。トータルメイクで新型Zにさらなるインパクトを与えている。
クルウチ CREWCH★DRAG RZ34プロト
ドラッグレ―スのファニーカーをイメージした、ド迫力のリヤウイングとアルミ叩き出しの大型フロントスポイラー、サイド出しマフラーなどで全身からやる気がみなぎるRZ34。「エアロパーツは実戦では使いませんよ(笑) でも、ショーイベントには遊び心も大事!」とは久留内さん。
異彩なスタイルに目を奪われがちだが、タイヤは15インチのフージャードラッグスリック、ダンパーはオリジナルボックスとコラボしたドラッグスペシャルを装着…と、走りの準備は万全だ。
エンジンはブーストアップ+NOSで600㎰強を目指していたが、ノーマルタービンでは排圧が上がり過ぎることが発覚。そのため、現在ハイフロータービン化の準備を進めているそうだ。
PHOTO&REPORT:山崎真一
part.3へ続く