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早くも多様なチューンドRZ34が登場!
事前の予想通り、東京オートサロン2023の舞台には数多くの新型Zが展示された。チューニングカーはもちろん、ドレスアップ系、パーツメーカーのデモカーなどそのバリエーションは多岐に渡る。今後のカスタムシーンにおいて新型Zがどのような存在となるかはまだまだ未知数の段階だが、そのヒントを模索すべくWEB OPTIONでは出展された全ての新型Zを取材。その内容を紹介していく。
バリス RZ34 FAIRLADY ARISING-1
ベースモデルのポテンシャルを引き上げる戦闘服をテーマに掲げ、トップブランドのMAGNUM OPUS(マグナムオーパス)を筆頭に様々なエアロパーツを展開する“バリス”。RZ34が纏うのは最もベーシックな「アライジング1」だ。
基本的には、ボディ下側に取り付けるアンダースポイラータイプとなるが、フェンダートリム以外のパーツは全て真空成型で作ったカーボン製。真空にしてから特殊な樹脂を流し込むために、少ない樹脂で強度が出せるので、剛性を保ちながら軽量に仕上げることが可能だ。
3Kのカーボン地に赤いラインを入れて、エアロパーツの形状が分かりやすいように演出。ダックテール調のリヤスポイラーは、純正のボディラインを活かしながらデザインされている。
ドア下に位置するサイドディフューザーは、少し横方向へ張り出すことで純正のスタイリングに足りなかったワイド感を演出。リヤタイヤ付近は走行風を整流するようなフィン形状を採用する。
リヤセクションには、メカニカルなディティールを追加できるディフューザーを設定。複雑なデザインながら、RZ34のキャラクター性を損なわないバランス感覚はさすがバリスだ。
「フェンダーを大きくイジらないアライジング1から作りました。“Zと言えばダックテールだよね!”ということで、今回はこういったリヤスポイラー形状になりましたが、近々GTウイングも製作予定です」とは、バリス矢萩さん。
今後はアライジングシリーズのラインナップを固めてから、ワイドフェンダーまでのボディキットを製作していく予定とのこと。バリスが手掛けるRZ34のワイドボディ仕様を早く見たいものだ。
トップシークレット RZ34GOLD
「自分の好きを形にする」スモーキー永田の最新作。ワークスカラーであるロレックスゴールドを与えたことからも本気で取り組む気概を感じさせる。
ただし、「GT-Rのように出力を上げて極限を追うことはしない」とスモーキー。「日産が作ってくれた素材をベースにGTカー路線で仕上げようと思うんだ。今回は、空力に優れたスタイリッシュなボディを作り、エンジンはブーストアップ程度でまずタイムアタックをやってみたいね」と熱く語る。
ビジュアル優先ではなく、性能向上アイテムであるのがトップシークレット流。ボンネットは放熱性を高めるダクトを設けただけでなく、ドライカーボン製とすることで前後重量配分の悪化を抑制。
大型のウィングもR35GT-Rで得たノウハウを投入し、超高速域でもびくともしない剛性と強度を持たせるなど、譲れないところは妥協することなく追求。新作のフロントリップスポイラー・フロントフェンダーダクトもまず性能ありきの設計なのだ。
フロントのタイヤサイズをリヤと同じ285幅(ポテンザRE71RS 285/30R20)としたのも同様で、補機類が増え、先代よりもフロントヘビーにとなった前輪にキャパシティを持たせ、コーナリング性能をスポイルさせないための対策。ホイールはOZフッツーラのトップシークレットモデルだ。サーキットでは容量が不足するであろうブレーキもR35GT-R用に交換するなど、全てが理に叶っている。
“パワー系はいつでもチューニング可能。新型Zでは、トップシークレット流のカスタマイズを幅広いオーナーにも味わってほしい”。そんな風に思わせてくれるほどの大人チューンドに仕上げられている。もちろん、これはあくまでも第一弾。スモーキーがどのように料理し、スパイスを加えるのか、期待せずにはいられない。
日産自動車 FAIRLADY Z CUSTUMIZED EDITION
2022年、突如公の場に登場したフェアレディZカスタマイズドコンセプト。初代S30ZのZ432をモチーフとし、オリジナルのRZ34とは異なるそのスタイリングは好評をもってマーケットに受け入れられた。
そして2023年、満を持して市販バージョンとなる「フェアレディZカスタマイズドエディション」が東京オートサロン2023でデビュー。前後フェンダートリムこそ無くなったものの、基本スタイルはコンセプト仕様を完全踏襲している。
気になる販売方法は、アクセサリー用品(パッケージオプション)に落ち着く予定(現在最終検討中)とのこと。当初は限定モデルでの販売も計画にあったそうだが、RZ34の納期状況を鑑みてお蔵入りとなった模様だ。
ともあれ、アフターパーツとして現在用意されているRZ34用のフルバンパーは数少なく、しかもクオリティはメーカーお墨付き。オーナーにとって非常に魅力的なオプションであることは間違いない。
販売予定パーツの中で見逃せないのが、ダックテール形状のリヤスポイラーだ。ボディサイドまで回り込むように大型化されており、ダウンフォース量は標準モデルを上回る設計となっている。何より、流線的に跳ね上げた形状は新型Zにドンピシャでハマる。
RSワタナベをオマージュしたであろう8スポークデザインのアルミホイール、7代目のZであることをモチーフに取り入れたCピラーのZエンブレムなど、最新のデザインとノスタルジーを上手く融合させ、エモーショナルな部分に訴えかけるフェアレディZカスタマイズドエディション。正式発表が待ち遠しいかぎりだ。
スーパーGT参戦車両
市販モデルだけでなく、国内最高峰のツーリングカーレース「SUPER GT」の2022年シリーズに参戦した4台のGT500マシンも幕張メッセに集結。
新型Zの初陣に華を添え、日産/ニスモ陣営に7年振りのシリーズチャンピオンの栄冠をもたらした「♯24カルソニックIMPUL Z」はブリヂストンブース。最終戦までチャンピオン争いを繰り広げた「♯3CRAFT SPORTS MOTUL Z」はSUPER GTブース。日産/NISMOのワークスマシンであり、エースナンバーの23番を付けた「♯23MOTUL AUTECH GT-R」は日産自動車ブース。そして、近藤真彦監督が率いる「♯24リアライズコーポレーションADVAN Z」はNGKスパークプラグブースにそれぞれ展示された。
PHOTO&REPORT:山崎真一