「痛車だけどFドリ仕様なんです!?」強烈すぎるHKSドラッグセリカ×にじさんじ『葉加瀬冬雪』仕様に迫る

キャラの名字が「ハカセ」だからHKS!?

デザインも貼り込みも自作でこの完成度!

HKSのオイルカラーを全身にまとったST202型セリカの登場だ。ラッピングのモデルベースは、OPTION2誌とのコラボレーション企画によって誕生し、国内でFF史上初の9秒台のタイムを叩き出した伝説的チューンド『HKSドラッグセリカ』。そこに、にじさんじ所属Vtuberの『葉加瀬冬雪(はかせ ふゆき)』をミックスしてオンリーワンの痛車に仕上げている。

以前はウェッズの黄色と青のカラーリングを用い、『ガールズ&パンツァー』仕様の痛車にしていたというオーナー(湾さん/35歳)。ある時、お気に入りのVtuberで痛車を作りたいと思い立ち、セリカのリメイク計画をスタートさせたそうだ。

なぜ新たな仕様のベースにドラッグセリカを選んだのかというと、それは一つの“ダジャレ”がきっかけだった。「HKSとキャラクターの名字の葉加瀬(HAKASE)の文字が一緒なんですよ。それで、“どうせセリカに乗ってるならドラッグセリカにしちゃえ!”と思ったんですよ」とのこと。

グラフィックは大判プリントを唯一の例外に、キャラクターを使ったデザインから貼り込みまで全て友人の手を借りながら仕上げたDIY作品。元々のボディカラーはホワイトだったそうだが、その面影は一切残っていない。

単なる痛車で終わらないのも、このセリカの大きな特徴だ。クォーターウインドウに貼られたステッカーが示す通り、何と生粋のドリフトスペックなのである。

“湾さん”いわく、当初は純然たるグリップ派だったそうだが、ローグリップタイヤでジムカーナを続けているうちにスライドコントロールの奥深さと楽しさにハマり、次第にFFドリフトの道へと方向転換していったそう。

パワートレインでリヤタイヤを空転できないFF車にとって、ドリフトの生命線となるのはサイドブレーキの効きだ。純正ドラムは酷使するとすぐに熱ダレを起こしてしまうため、このセリカはツインキャリパー仕様による油圧サイドブレーキを導入。さらに、前後のフットブレーキもGT-FOURの大型キャリパーに変更するなど、メイキングに抜かりはない。

ブレーキラインやマスターシリンダー、レバーなどはJZX100用の油圧サイドブレーキキットを流用。邪魔になる純正のサイドブレーキレバーは助手席側へと移設している。これらのチューニングに伴う車体側の加工はかなりの荒技になったそうだが、カーボンプレートでコンソールをリメイクしているため、見た目は非常にスマートだ。

ちなみに、リザーバータンクからシリンダーに繋がるフルードがブルーなのは、“実験好き”というキャラクターの要素を反映した痛車乗りとしての拘りポイントだったりする。

メーターパネルの内部もDIYで痛車感を演出。所属事務所である“にじさんじ”のイメージロゴをタコメーターに用いている点も通好みだ。

助手席に設置された動画再生用の大型モニターとロールケージの異質なコントラストが目を引く室内。リヤシートは撤去され、2名乗車で公認を取得済みだ。

心臓部の3S-GEエンジンはノーマルだが、5次元マフラー+サブコンの組み合わせでファインチューンを敢行。駆動系には、立ち上がりのトラクションを稼ぐためにクスコの機械式LSDも投入している。

エスクテリアを覆うエアロパーツは、フロントバンパーとサイドステップがバリス製で、そこにGT-FOUR純正リヤウイングと汎用ディフューザーをセットした拘りのミックス仕様だ。

サスペンションはK-SPORTのオーダーメイド車高調を軸にセットアップ。足元で存在感を主張する18インチのアドバンレーシングRGIIIはイベント用で、ドリフト時は前後17インチにサイズダウンするそうだ。にじさんじカラーのホイールステッカーはもちろんオリジナル。

レースレプリカとしての完成度もさることながら、細部まで見る人を楽しませることを考え抜いた痛車要素のミクスチャー。そこにFドリ仕様としての戦闘力も加わったこのセリカは、ある意味、最強だ。

PHOTO&TEXT:長谷川実路
●取材イベント:Yupiteru presents お台場痛車天国2023

「ガルパン×マツダワークスカラーで勝負!」FD3Sで挑むレーシング痛車仕様

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痛車天国
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