「パワー志向の第二世代GT-Rユーザー必見! RB26DETT改2.8Lキットの誘惑」東名パワードの高い技術力が生み出した傑作に迫る

東名パワードRB28ストローカーキットのテクノロジー

シリンダー側圧をおさえた3次元設計ピストンがキモ

第二世代GT-Rチューンのストリート&サーキット仕様として人気が高い500~600ps仕様。しかし、排気量アップせずにその出力を手に入れようとすると、2568ccという排気量に対して、大きめのタービンを選択する必要がある。

つまり、ブーストの立ち上がりがノーマルタービンと比較して確実に悪化するため、決して扱いやすい仕様にはならない。乗りやすさを求めつつパワー志向のRB26ユーザーには、やはり排気量アップがベストなのである。

一般的に排気量アップキットと言うと、ストロークアップの根源を担う“クランクシャフト”に注目しがちだが、東名パワードのRB28キット(58万円〜)は考え方が少し異なり、クランク以上にピストンの設計に対して絶対的な拘りを持っている。

まず、東名パワードはピストン強度を最優先事項としてピンハイトはノーマルピストンと同等の30mmに設計。無理な設計をしていないためランド部に厚みをしっかり持たせることができ、耐久性や耐ノッキング性能を確保することに成功した。

しかし、このピストンの真のハイライトと言えば、常温でピストンを精密に計測すると上面は楕円形で横から見ると樽型になっている“3次元プロフィール設計”を採用していることだろう。これはエンジンが使用されている高温時にピストンが正円、かつスカートが理想的な面となるのがメリットで、圧縮抜けや首振りを防ぐ効果がある。

そして、一般的にコンロッドの中心間距離を短く設計するとコンロッドの斜屈角がキツくなってピストンの首振りが発生し、フリクションロスとシリンダーへのダメージが問題になるが、この高精度かつ高い強度を持つピストンのおかげで、コンロッドの大端部と小端部の中心間距離をノーマルの121.5mmから119.5mmまで攻めることができた。

首振り自体も極めて起きにくくなっているため、中心間距離が短いコンロッド設計でも高い耐久性を確保できるというわけだ。さらに、ピストンピンの位置を中心から1mmオフセットさせることで回転抵抗も低減している。

なお、東名パワードのコンロッドは、1000psオーバーにも対応できる強度とレスポンスアップを狙ったH断面を採用。大端部は燃焼室での爆発圧力を受けた時にかかる各部の応力を計算し、1点に負担が集中しないよう綿密に強度計算された“なで肩”設計が特徴だ。

そんな拘りのピストンとコンロッドに、ストロークを73.7mmから77.7mmへと延長するクランクシャフトをセット。このクランクは振動対策の設計を8000rpmプラスαに設定。高回転域での振動を減らす効果はあるものの重量増となってレスポンスを悪化させ、メタルへの負担を増加させる“フルカウンターウエイト”は採用せず、エンジンレスポンスと強度を両立できる“8カウンターウエイト”を搭載しているのが特徴だ。

これらのムービングパーツが組み合わさることで、東名パワードのRB28キットは完成する。500〜600psのパワーに加え、多くのユーザーが求める街乗りでの扱いやすさも重視するためには何が必要か? それを理論的に検証していった末に完成した逸品なのだ。

●問い合わせ:東名パワード TEL:042-795-8411

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