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ストリートチューンのお手本を稲田大二郎が試す
リヤウイングの有無で最高速が15キロも変化!?
HKSの旗艦店として多くのチューニングカーを仕上げてきた“HKSテクニカルファクトリー”。世界的な知名度を誇るHKSの高性能パーツ群を、誰もが最高の状態で味わえるよう努めてきたプロショップだ。
今回紹介するのは、そんな同社が手掛けたGR86。「誰にでも真似できる仕様」ということで、スペシャルパーツを一切使わずにユーザーフレンドリーなデモカーとして製作されているのが特徴だ。
エンジン本体はノーマルをキープ。HKS製スーパーマニフォールド、キャタライザー、スペックLIIマフラーで排気環境を最適化した上でメインECUをリセッティング(ECU-TEK)。最高出力は実測で208ps(TCファクター:1.00)をマークしている。
エクステリアはHKSのタイプSボディキットでフル武装。これらはドレスアップ目的のデコレーションパーツではなく、最先端のCFD(数値流体解析)をフル活用して誕生した高機能チューニングパーツだ。
ホイールは18インチのアドバンレーシングRS-DFで、タイヤには255/35R18サイズのアドバンネオバAD09を組み合わせる。サスペンションは、サーキット向けのHKSハイパーマックスR(F9kg/mm R10kg/mm)だ。LSDはTRDの2WAY、ファイナルはノーマルの4.1となる。
室内はブリッドのフルバケットシートを導入した程度で、エアコンやカーナビなどの装備も完全に機能する快適仕様だ。
今回は、このチューンドGR86の性能を探るために高速周回路でのテストを敢行。結果は想像以上で、バンクを220km/hオーバーで旋回し、そのまま加速を続け、238.17km/hまで最高速を伸ばしたのである。
アタッカーを務めた稲田大二郎は「磐石の仕上がりだ。アタックはリヤウイングの有無で2回行ったんだけど、ウイング装着状態での最高速は223キロだった。そしてリヤウイングを撤去したら、あっさり15キロ以上もスピードアップした。それだけ効いているということだよ」と語る。
続けて「リヤウイングを外すと最高速は伸びる。しかし、安定感や見た目を考えるとやっぱりあった方が良いと個人的には思う。その辺りはオーナーが“どういう仕様にしたいのか?”で決めることだから、正解は一つじゃなくても良いんだよ」。
「リヤウイングの有無で約15km/hも最高速が変わるとは! 驚いたし勉強になりました。今後はGTスーパーチャージャーキットを装着してパワーアップさせていく予定ですが、その際にはまた最高速を計測してデータを蓄積していきたいですね」とは、HKSテクニカルファクトリーの菊池さん。
特定のステージに特化するのではなく、オールラウンダーとして製作されたリアルチューンド。現状の実力、そして今後のステップアップを含め、GR86&BRZオーナーの参考になること間違いなしの一台と言える。
●取材協力:HKSテクニカルファクトリー 埼玉県戸田市美女木5-2-8 TEL:048-421-0508
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HKSテクニカルファクトリー
https://www.hks-tf.co.jp