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スーパーカー顔負けの高周波サウンドが味わえる!
触媒以降をフル交換する拘りの4ピース構造
スポーティな走りを堪能する上で欠かせないのが、アクセルを踏み込むほどに盛り上がってくるエキゾーストノート。いくら加速力が鋭くても、コーナーで速かったとしても、電気自動車のように無音だったら魅力は半減。さらにアクセルを踏み込みたい…という気持ちにもなれないはずだ。
だからこそ、手に入れたい官能的なマフラーサウンド。とはい、えZC33Sは小排気量のターボモデル。良い音を楽しむにはベース車のポテンシャル的に厳しいのでは?と思ってしまうのは当然のこと。しかも、純正マフラーは超大型のタイコを備えて静音性のみを追求した設計、これでは残念すぎる。
確かに排気を妨げるタービンが付いていないNAの方が音作りという面では有利だし、排気量も大きいにこしたことはない。サウンドが素晴らしいと絶賛されるフェラーリなどを見ても、それは明らか。
そこで紹介するのが、とにかく音が良いと評判の“サクラム”製マフラー(25万4100円/ZC33S-6MT用)だ。
「ウチは元々欧州車を得意としていることもあり、ダウンサイジングターボについても豊富な経験があります。だからこそ、ZC33Sもスポーティなサウンドに仕上げる自信がありました」と代表の宇野さん。試作を作ってはテストを繰り返し、開発に1年以上を掛け、ようやく納得がいくモデルに仕上がったというから期待が高まる。
まずはその詳細をチェックしてみよう。ZC33S用のレイアウトはフロントパイプからテールまで、触媒以降をフル交換するタイプ。パイプ径はノーマルが46.8φに対し、ひと回り太い54φとした。またスポーティなキャラクターを尊重し、テールはシングル出しに。パイプの厚さは1.2mmとするなど軽さにも拘った。
ストレート構造のサイレンサーは2つ設けられる。そのレイアウトや大きさも狙いとする音質を実現するために重要なファクターとなってくる。
触媒直後に位置するフロントパイプも付属。ここはターボ車にとって排気効率を大きく左右するパートといえる。また排圧の低減にも貢献する。パイプ径は54φと十分な太さを確保した。
パイプの曲げも可能な限りなだらかに仕上げる。ステーは3箇所に分岐させて結合することで応力を分散。耐久性にも拘っており、長く愛用できるのだ。なお、右側1本出しとしたのは、加速騒音は左側から計測するから…という理由もある。1〜2dBのマージンが稼げるとか。左側のバンパーの切り欠きは樹脂パネルで塞いでいるが、こちらは製品には付属しない。
テールエンドも特徴的。バンパー穴に合わせてテールは新たに設計したというだけにぴったり収まる。厚みのあるデザインが独特の存在感を主張する。
そして、サクラム製マフラーの真骨頂と言えるサウンドについて。パイプの長さやサイレンサーの位置、そして容量などを徹底的に吟味することで、美しい音色を奏でるように調律している。そのためのポイントとなるのが“倍音”なる周波数分布だ。
倍音とはその名の通り、基本となる周波数に対して倍数の周波数のこと。4000rpm時に200ヘルツなら6000rpm時に400ヘルツ、8000rpm時に800ヘルツといった具合。サクラムではこの倍音を意識して音を調律。そうすることで、排気音が途切れずに連続するような音色に生まれ変わるのだとか。
「ZC33Sは5000rpm以上で強制的にスロットルを閉じる設定。そうしたことも踏まえ、3500rpm前後のサウンドが際立つように調律しています」と宇野さん。そうして仕上がった匠のエキゾーストは、もちろんJQR保安基準適合なので車検も安心。澱みのない美しい音色を、ぜひ一度味わってみていただきたい。
●取材協力: サクラム 埼玉県深谷市永田1098 TEL:048-584-7117
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サクラム
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