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Z-tuneに先立って製作された希少なコンプリート!
19インチのLMGT4に収まるR35GT-Rブレーキが自慢
2023年4月23日に富士スピードウェイで開催された“レイズファンミーティング”。今回は天候にも恵まれ、800台オーバーのレイズ製ホイール装着車が集結して大盛り上がりとなった。
参加者それぞれ、レイズホイールに深い拘りを持っている人ばかりだったが、会場をチェックしてまわるWEB OPTION取材班のレーダーが反応したのがこのBNR34。名作Gr.CのDNAを受け継いで2021年に登場した、ボルクレーシング21Cのパンフレットにも使用されたチューンドだ。
ベースとなっているのは、2004年に厳選中古車をベースにニスモがチューニングを施してコンプリートカーとしてリリースした「NISMOスカイラインGT-R(BNR34) S-tune」。
「R34GT-RのコンプリートとしてはZ-tuneが有名ですが、S-tuneはその約1年前に製作されたモデル。Z-tune開発のためのスタディモデル的存在で、ライトニングイエローのボディは国内に残ってるのはこの10号車だけだと思います」と説明してくれたのは、そんなレアな個体を2019年に手に入れたオーナーの秋山さんだ。
ニスモの専任メカニックにより施されたチューニングは全身に渡るもので、エクステリアはフロントバンパー、カーボンリヤウイング、サイドスカートを装着。秋山さんのBNR34は、さらにニスモのエアアウトレット付きボンネットやグローバルオートのフロントリップスポイラーを追加して個性を演出している。
リヤもアンダーディフューザーをニスモの大型のものとしている他、コンビネーションランプを78ワークスのLEDタイプに変更。トランクスポイラーにもLEDを埋め込んで、ハイマウントストップランプとして機能させている。
ボンネットに収まるのはRB26DETT改の「S1」エンジン。その内容は専用のカムシャフトやアルミインテークパイプ、エアクリーナーダクト、専用ECU、スポーツキャタライザー、マフラーなどで、中低速域のフラットトルク化で扱いやすさを向上。スペックは最高出力400ps、最大トルク45kgmを発揮する。
サスペンションはオリジナルのS-tune専用品から、ニスモファクトリーラインのオーリンズ製に変更。レイズ製のLMGT4ホイールは19インチ(10.5J+15)にサイズアップ(オリジナルは18インチ)し、R35GT-R用ブレンボキャリパーと大型ローターによりアップデートを図っている。
インテリアはボディに合わせたイエローのナルディステアリングの他、シートをレカロのリクライニングタイプに変更。グリーンのカラーは長年乗っていたカワサキ(バイク)のイメージカラーにちなんだものだという。
「怪我でバイクに乗れなくなって、どうせなら速いクルマが良いと選んだのがこのGT-Rでした。さすがに絶対的な加速力ではバイクに敵いませんが、6発エンジンは気持ち良く、扱いやすいですね」とのこと。スズキ車流用のハチのエンブレムやフェンダーの「大盛りFactory」ステッカーなど、遊び心も満載のこのマシンを、今後も大切に維持していきたいと語ってくれた。
PHOTO&REPORT:川崎英俊
●取材イベント:2023 RAYS FAN MEETING