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ステップアップが止まらずターボ+ワイドボディ化!
170馬力でサーキットを駆け抜けるド根性フィット
MTで価格が安く、中古車市場でのタマ数も多いためクラッシュした際の補修費用も安く済むなど、あくまでもコストパフォーマンス重視でこのフィット(GD3)を購入したというオーナー。その後、各地のサーキットを走り回っているうちにチューニングがエスカレート。そうして辿り着いたのが現在の仕様だ。
エンジンはHKSのキットを用いたボルトオンターボ化が行われており、最大ブースト圧0.8キロで実測167psを絞り出す。ちなみに、オーナーが中古で購入したというエンジン本体は、名将“トップフューエル”が製作したレース用スペシャル。鍛造パーツによる強化が図られている他、JUNのワンオフハイカムなども組み込まれ、ブースト圧は1.0キロまで対応しているという。
HKSのフィット用キットには本来インタークーラーが含まれていないが、このチューンドはワンオフでパイピングを製作し、ノブレッセ製のフロントバンパー内に前置きでセット。見た目のインパクトも強烈だ。
ボンネットはスタウトのカーボン製。ターボ化によって一気にシビアになった熱問題を解決すべく導入されたアイテムだ。
フロントの10mmワイドフェンダーはワンオフ品。フェンダー裏にはブレースバーなどの補強が入れられている。オーナー曰く、GD系フィットはフロント周りの補強を行うだけでも激しいスポーツ走行に耐えるボディ剛性が手に入るそう。
ホイールは前後とも15インチでフロントが8Jプラス5のワークエモーションCR極、リヤが8Jプラス35のレイズグラムライツ57CR。タイヤはトーヨーのR1Rを組み合わせている。サスペンションはラルグスでフロントに14kg/mm、リヤに12kg/mmのスウィフトスプリングをセット。LSDはクスコ製を装備。
高出力のターボチューン仕様ということで、コクピットにはエンジンの状態を常に把握するべく必要な追加メーターをセット。ミッションは純正の5速だが、ターボチューンでハードなサーキット走行を行なってもトラブルは出ていないという。
シートは運転席にグッドガンレーシングのフルバケ、助手席にブリッドのセミバケをセット。リヤシートは軽量化のためにキャンセルされている。
「楽しく安く走る」をコンセプトに進化を続けてきたというこのフィットだが、日光サーキットで41秒台、本庄サーキットで46秒台(いずれもオーナードライブ)を叩き出すなど、パフォーマンスは紛れもなく本物。コスパ重視の選択でありながら、格上すらカモれる速さを実現しているのだ。(取材イベント:第2回オレンジMT)