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これまでのウィークポイントを完全に克服!
ZC33Sのターボパワーを活かすOS技研デュアルコアLSD
サーキットシーンで圧倒的なシェア率を誇る、OS技研のスーパーロックLSD。同社が誇る革新的な機構によって、イニシャルトルクに頼ることなく、ドライバーの意図に合わせてレスポンス良く強力なロック状態を実現した逸品だ。
その特徴の一つが、独自のサイドギヤ構造。他社の一般的なLSDに比べて、フリクションプレートの枚数を倍近く装着できるようにサイドギヤを設計。これにより100%ロックを余裕で実現し、プレートの摩耗や発熱も大幅に軽減させている。
しかし、そんなスーパーロックLSDが唯一苦手とするシチュエーションが、ハードな走りによって片側の車輪が浮き、急激に空転しまうような状況。
少々のタイヤ浮きなら問題はないのだが、片側の車輪から完全にトルクが抜けてしまうような状態ではプレッシャーリングが閉じてしまい、それを開くきっかけがないために、左右輪をロックさせることが難しくなってしまっていた。
そうしたウィークポイントを完全に解消したのが、OS技研の次世代モデル『デュアルコアLSD』だ。基本的な構造は定評のあるスーパーロックLSDを踏襲しつつ、サイドギヤ外周をストレートカットからヘリカルカットへと変更。
これにより、タイヤが浮き上がって急激に空転したような場合はサイドギヤがフリクションプレートを押し付けて「疑似的なイニシャルトルク」を発生。それを引き金に、ロック状態へ移行することができるのである。
このデュアルコアLSDをいち早く採用したのが、スイフトチューニングの牽引役とも言える“トラスト”。
同社では、吊るし状態の1WAYはもちろん、1.5WAYや2WAYまで試しながら、カム角度も様々なタイプをテスト。その果てに辿り着いたのが、前代未聞の“逆1.5WAY”というセッティングだったというから面白い。
このセッティングは、ZC33S特有のABS介入の対策として有効で、当初の1WAYより大幅なタイムアップを果たしたという。
左右の車輪にトルク差や空転が発生した際に、プレッシャーリングを作動させるのがカムの役割。その角度によって作動の量や速度のセッティングが可能。1WAYでは1方向、写真はオン55度/オフ35度の1.5WAYタイプ。逆1.5WAYではオンよりオフのカム角度が大きい設定となる。
なお、この“逆1.5WAY”仕様は乗り方に工夫が必要なため、万人に有効かというと決してそうではない。しかし、こうした特殊なオーダーにも素早く対応できるのも、完全国産であるOS技研のスーパーロック/デュアルコアLSDの大きな強みなのは間違いない。
ちなみにこのLSDは、OS技研からデュアルコアST SPEC-Xとしてリリースされている。サーキット派のオーナーは、タイムアップの秘密兵器として導入を検討してみてはいかがだろうか。
●問い合わせ:OS技研 岡山県岡山市中区沖元464 TEL:086-277-6609
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