目次
K20A改2.15L+4連スロで全域レスポンス型を実現
DC5を知り尽くしたM&Mが放つトータルチューン
数多くのDC5チューニングを手掛けてきた“M&Mホンダ”が、そのノウハウを余すことなく投入したのがこのマシン。走行会メインだけにエアコンなど快適装備は排除しているものの、自走でサーキットまで往復できるナンバー付き車両に仕上がっている。
まずエンジンは、腰下にハイコンプ鍛造ピストンとI断面コンロッドを組み込んで排気量を2150ccまでボアアップ。K20Aは酷使するとコンロッドが振れてメタルが流れる症状も出がちだが、高強度のI断面コンロッドによってその問題も解決している。
ヘッドには戸田レーシングのハイカムを投入し、同じく吸気側に戸田レーシングの4連スロットルをインストール。さらに、オリジナルのカーボンサージタンク&インテークダクトを装着して、ダイレクトに吸気を取り込めるインテークシステムを構築。夏場でも吸気温度は30度近く下がり、安定した性能を引き出すことが可能だ。
制御はオリジナルECUによって行い、最高出力は275psに到達。圧縮比を高めていることもあり、9000rpmまでストレスなく吹け上がる特性でありながら、i-VTECの切り替えポイントを純正の5500rpmから5000rpmに引き下げることで、中間域の力強さも増している。
足回りは、街乗りからサーキットまでフレキシブルに使えるよう味付けされたオーリンズベースのオリジナル車高調(F18kg/mm R28kg/mm)をセット。ストレートアームのジョイントブラケットを設けることで、ローダウン時のアライメントを適正化した逸品だ。
ブレーキはフロントにap製6ポッド+355mmローター、リヤに純正キャリパー+314mmローターという組み合わせ。フロントのみビッグキャリパー化することでバランスが崩れるのを心配する人もいるが、全く問題なしとか。
キビキビとした走りを実現するべく、ブッシュ類はピロボールに変更。最適なジオメトリーを実現するためにオリジナルの調整式アームもセットした。現在のネガティブキャンバー角はフロント4度、リヤ2.5度ほど。
ホワイトボディの状態から製作されたボディはフルスポット増しも施される。ストラットタワー部のたわみを抑え込むことで、足回りの動きもシッカリ伝わってくるようになる。
約15〜20mmワイドというオリジナルのフロントワイドフェンダーに収まるのは、ボルクレーシングTE37SLの18インチ(9.0J+45)。これにハンコックZ221の235/40サイズをセットする。
下部を大胆にカットしたリヤバンパーに、カーボン仕上げとなるリヤディフューザーを装着。さらに2枚羽根タイプとなるGTウイングもセットすることで、高速コーナーでも安定した走りを見せる。
室内はドンガラの状態で車重は1050kg(ノーマルは約1200kg)という軽さ。重量増を避けるためロールケージすら装着していない。ミッションは純正6速MTで、ファイナルのみ5.1に変更済みだ。
メインコースとなるオートポリスでは2分7秒台で周回する速さを見せつけているが、タイムはまだまだ上が狙えるというから恐れ入る。VTECを知り尽くした匠のトータルチューンにより、2.0Lターボのチューンドも楽に追い回せるほどの戦闘力を手に入れているのだ。
●取材協力:M&Mホンダ 福岡県太宰府市国分1-18-8 TEL:092-923-1955
<関連リンク>
M&Mホンダ
http://mandm-honda.com