「走りと実用性の高さが人気の秘密!」スポーティーカー顔負けの熱狂ステーションワゴン特集

あの頃のステーションワゴンシーンは熱かった

1989年に発売された初代BF系レガシィツーリングワゴンが火付け役となり、ステーションワゴンブームが訪れた1990年代。各メーカーからはターボエンジンを搭載し、スポーティカー顔負けの走り自慢なモデルが続々と登場した。そんな時代を振り返ってみよう。

スバルレガシィツーリングワゴンGT-B(BG5)1993~1998

初代BF系のモノコックボディや4輪ストラット式サスを踏襲しながら、ホイールベースの延長や各部のブラッシュアップが図られた2代目BG系。EJ20型2.0Lフラット4ターボは、エンジン回転域に応じて大小2つのターボチャージャーを切り替えるシーケンシャルツインターボの採用が大きなトピック。駆動方式はフルタイム4WDで、5速MT車はビスカスLSD付きセンターデフ方式、4速AT車には不等&可変トルク配分電子制御AWD(VTD-AWD)が採用された。

シーケンシャルツインターボ化が図られ、インタークーラーも初代の水冷式から空冷式へと変更されたEJ20H。当初、最高出力は250psだったが、1996年のマイナーチェンジで280ps(4速AT車は260ps)に向上した。

1998年に発売された3代目BH5型レガシィツーリングワゴン。5ナンバーサイズ最後のモデルで、ツインターボ仕様のEJ20を搭載する。リヤサスペンションがマルチリンク式とされ、ラゲッジルーム容量を大幅に拡大したのもトピックだ。

三菱リベロGT(CD5W)1994〜2000年

車両型式から察しがつくように、初代ランエボのベースとなったランサーGSRに準じる基本コンポーネンツを採用。4G93型1.8L直4ターボを搭載し、駆動方式はフルタイム4WD。ミッションは5速MTと4速ATが用意された。1995年のマイナーチェンジでは最高出力が205psから215psに向上。フロントマスクも初代ランエボと共通化されるなど、スポーティな雰囲気をさらに高めた。

日産アベニールサリューGTターボ(PNW10)1995〜1998年

P10型初代プリメーラのワゴンモデルとして1990年に登場したアベニール。2.0L直4ターボのSR20DETを載せ、フルタイム4WDで駆動するアベニールサリューGTターボは、外装の大幅な手直しが行なわれた1995年のマイナーチェンジを機に追加されたモデルとなる。写真はオーテックジャパンが手掛けた専用エアロを装備するエアロエクスプレス仕様だ。

210psを誇るSR20DETを搭載。当時、レガシィツーリングワゴンGT-BのEJ20やカルディナGT-Tの3S-GTEに対して、3000rpm付近から急激にパワーが盛り上がるエンジン特性と評された。

W11型2代目アベニールのスポーティモデルがGT4。パワーが230psまで高められたSR20DETを搭載し、15インチ仕様のGT4-S、16インチ仕様のGT4-Zなどがラインアップされた。販売期間は1998~2002年。

三菱レグナムVR-4(EC5W)1996~2002年

EC系ギャランのワゴンモデルとして投入されたレグナム。VR-4は2.5L・V6ツインターボの6A13型エンジンを搭載する。駆動方式はフルタイム4WDで、リヤデフにコーナリング性能を高めるAYC(アクティブヨーコントロール)を採用。5速ATのみのタイプSには、ASC(アクティブスタビリティコントロール)とTCS(トラクションコントロールシステム)も装備された。また、1998年には専用エアロやレカロ製シート標準の800台限定モデル、スーパーVR-4を発売。

ステンレス製エキマニを介して片バンクに1基ずつTD03タービンを備え、280ps&37.0kgmを誇る6A13型ツインターボ。3500rpm付近からパワーを大きく盛り上げながら、豪快な加速を楽しませてくれる。

日産ステージア25t RS FOUR(WGNC34)1996~2001年

全長4.8m、ホイールベース2720mmというボディを持ち、C34ローレルやR33スカイラインの兄弟車となるWC34系ステージアはレグナムと並ぶ国産Lクラスワゴンの代表的モデル。基本は直6のRB20/25系エンジンを搭載するFR車で、2.5Lモデルにはフルタイム4WDも用意された。25t RS FOURはRB25DETを載せるスポーティグレード。

取材車両は1998年に行なわれたマイナーチェンジ以降の後期型。エンジンはR34スカイラインと同じRB25DETのNEO6が搭載される。スペックは280ps&35.0kgm。

トヨタカルディナGT-T(ST215W)1997~2002年

T210系2代目カルディナのトップグレードがGT-T。全幅1720mmで、シリーズ唯一の3ナンバーモデルとなる。3S-GTEとビスカス式センターデフを持つフルタイム4WDシステムは基本的にST205型セリカGT-FOURと共通。違いがあるとすれば5速MTに加え、新開発のマニュアルモード付き4速ATが設定されたことだ。速さとイージードライブを両立したスポーティワゴンとして2.0Lクラス最大のライバル、BG系レガシィツーリングワゴンGT-Bに真っ向勝負を挑んだ。

空冷式インタークーラーがトップマウントされる3S-GTE。260ps&33.0kgmというスペックはST205を5ps&2.0kgm上回るものだった。また、NAモデルのGTはVVT-i仕様の3S-GE(190ps&21.0kgm)を搭載。

GT-T、GT、Gの3グレードに設定されたエアリアル。スライド量600mmという電動開閉式の大型ガラスルーフを備えたモデルだ。全高は標準車の1495mmに対して1570mmとなる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

weboption 近影

weboption