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1997年当時のRE雨宮スタイルを目指してモディファイ中!
貴重な6型RZをベースにレーシングスタイルを構築
これまで数多くの名作ボディキットを展開してきた“RE雨宮”だが、流行の変化や量産に使う型の劣化などから廃盤になったモデルも少なくない。今回取材したFD3Sは、そんなRE雨宮が90年代に期間限定で販売したコンプリートキットを纏ったチューンドだ。
装着されているのは、1997年に登場した“97GTワイドボディフルキット”だ。数あるエアロラインナップの中で、唯一、最高速スペックとして位置付けられた存在であり、市場に投入されたのは2キットのみという超激レア品なのである。
このFD3Sの乗り手は、弱冠19歳(取材時)の学生。ネットオークションを徘徊中、偶然ボロボロの状態で出品されていたRE雨宮97GTワイドボディを発見し、意を決して落札したそうだ。
「長期放置車両に装着されていたみたいで、詳細不明のままキットだけ売りに出ていたんですよ。“どうしても装着したい”と鈑金屋さんに相談してから落としました!」とオーナー。
入手後は鈑金屋にてファイバーワークを慣行。形状変更等のリメイクは行わず、オリジナルへの修復に徹したそうだ。
なお、オーナーが手にしたボディキットはRE雨宮の市販モデルとリヤバンパーの形状が異なっており(ディフューザー一体構造)、これについては「RE雨宮にこのキットを注文した当時のオーナーが、個性を求めてスペシャルオーダーしたそうなんです」とのこと。唯一無二、特別な97GTワイドボディキットというわけだ。
ホイールも往年のRE雨宮オリジナルAW-7をインストール。前後共に17インチでフロントが9.5Jプラス20、リヤが10Jプラス20という当時の特注サイズとなる。
室内もRE雨宮のフラットボトムステアリングや、コラムメーターパネルをセットしたRE雨宮仕様。シフトランプ付きの大型タコメーターは、定番のオートメーター製だ。
ちなみにこのFD3Sのベースは最終の6型、しかも175台限定のRZグレードだったりする。19歳という若さでFD3Sを所有していること自体が珍しいのに、超貴重なモデルを臆することなくイジり倒す若きオーナーの心意気には感服せざるを得ない。
パワースペックは吸排気系のみのライトチューン仕様。装着されているマフラーは、かつてFD3Sオーナーだったというオーナーのお母さんから受け継いだカキモトレーシングの当時モノだ。
「今後はスリークライト化をはじめ、まだまだやりたいことはありますね。機関系のチューニングもやっていきたいです」と闘志を燃やすオーナー。自分が生まれる以前のレーシングスタイルを追い求める若者の存在に、RE雨宮の持つ計り知れない影響力を感じさせられた次第だ。(取材イベント:榛名ロータリーミーティング)