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レーシングドライバーの肝入りサスチューンがポイント
RZを追撃可能なSZ-Rに仕上げる極意!
軽さを活かしたSZ-Rベースで全国のサーキットでも好タイムを刻む、スクリーン&D2ジャパンのGRスープラワークスカー。パーツ開発車両としてテストを繰り返してきただけに、ブーストアップ仕様とは侮れない速さを見せる。
中でも力を注ぐフットワークは、D2車高調の“MASA-SPEC”を装着したのがトピック。その名前の通り、レーシングドライバーの佐々木雅弘選手が徹底的に仕様を詰めた自信作だ。
「今時のクルマは電子制御の介入とうまく付きあっていく必要があります。そのためには4輪をいかに接地させられるかが肝心。リバウンドストロークは伸ばす方向です」と佐々木選手。
また、ロールが大きいと対角線上のタイヤが浮き上がってきてしまうため、これを抑える方向でセッティング。サーキットでのテストを重ねた結果、バネレートはフロント14kg/mm、リヤ20kg/mmを採用している。サーキット対応スペックとはいえ、少し硬過ぎるのではないかと勘ぐりたくもなるが、路面への追従性が高くストリートでも快適に走れるという。
もうひとつ、クローズアップしたいのがブレーキシステムだ。直6のRZはフロントにブレンボを標準採用するのに対し、直4のSZ-RやSZは車重の軽さも見越してか片持ちとなっている。しかもローター径はRZの348mmに対し、SZ-RやSZは330mmと小さい。
それだけに、サーキットで酷使するにはキャパシティ不足なのは否めない。そこで、このデモカーではD2のモノブロックキャリパーキットを投入。フロント8ポット+356mmローター、リヤ4ポット+356mmローターを組み合わせた。
電子サイドブレーキのEPBを採用するGRスープラはリヤブレーキ交換が難しいが、D2ジャパンでは対応キャリパーを開発。前後の同時交換を可能としているのだ。これによりサーキットでの連続走行にも耐えられる、安心感のあるブレーキ性能を手に入れた。
冒頭でも触れた通り、パワー系は吸排気に手を入れたくらいのライトな内容となるが、ECU-TEKで現車合わせセッティングすることで、最高出力350ps&最大トルク55kgmを実測で獲得。車体の軽さも手伝って、RZを追い回せるほどの速さを手に入れている。
ホイールはボルクレーシングの最新作、ZE40タイムアタックIIの19インチ。これに285/35サイズのポテンザRE-12D(285/35)を組み合わせる。車高は前後バランスを含めて、徹底的に煮詰められた。
エクステリアは、レボリューションのフルエアロ&GTウイングで武装。ボンネットやトランクもカーボン製に変更するなどして大幅な軽量化を図る。マフラーはHKSスーパーターボだ。
レカロシートの販売にも力が入るスクリーン。GRスープラに相応しいモデルとして選んだのは、RS-Gアルカンターラ。レーシーながら高級感が溢れるインテリアを構築している。
このチューンドを峠で試乗した佐々木選手は「軽さも手伝って、RZグレードのノーマルと変わらないほどの加速力を見せてくれる。足回りは自分でセッティングしているからアレだけど、良い感じだよ(笑) サーキット向けだけに少しシャープすぎる面もあったけど、減衰力を弱めれば十分に対応できる範囲。下りの長いブレーキでも安心感があるし、バランス良くまとまった1台だと思う」とコメント。
コーナリング勝負ならSZ-Rベースのチューンド仕立てが面白い。純粋にそう思わせてくれる仕上がりだ。
●取材協力:スクリーン 宮城県富谷市成田9丁目1-17 TEL:022-348-3761/D2ジャパン TEL:022-779-6512
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