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往年の軽量モデル「CE28N」が超絶進化!
レーシングドライバーも驚く高性能
他の追随を許さない卓越した鍛造テクノロジーを駆使して、ハードなスポーツ走行を支える強靱さと軽さを高次元で両立させているボルクレーシングシリーズ。その最新作となるのが、ここで紹介する“CE28N-plus”だ。
このモデル、ネーミングからもお分かりの通り、ベースモデルは2000年代初期のチューニングシーンを席巻した名作“CE28N”に他ならない。
CE28Nと言えば、強度&剛性一辺倒になりがちな鍛造アフターホイールの価値観に、“超軽量”という武器を従えてドロップキックをお見舞いしたモデルだ。デビューは1999年、今やスポーツホイールの定番になっている鍛造10本スポークの“始祖”と言っても決して間違いではないだろう。
「テーマは、表情を変えずに全域で性能を引き上げること。もちろん、CE28Nの絶対的要素である“軽量性”も徹底追求しています。元々、CE28Nは軽量ホイールの頂点を勝ち取るために開発したモデルです。ハイパワー対応のTE37に対し、CE28Nは14〜15インチでライトウエイトスポーツが本来のターゲット。しかし、時代と共にスポーツカーは変わりました。シビックで例えると、車重は30パーセント、馬力は80パーセントも増加しています。これに対応させる性能を与えたモデルが、CE28N-plusなのです」とは、ボルクレーシング企画部チーフの渡邊さん。
デザインこそ前モデルと瓜二つだが、その中身には最新の鍛造テクノロジーが惜しみなく投入されているというわけだ。
進化ポイントを見ていく。まず、スポークとリムに刻まれた文字は、レイズの特許技術であるA.M.T.(アドバンスド・マシニング・テクノロジー)による切削加工で刻まれる。工具の刃物目をあえて残すことで、立体的な造形を表現する。
リムウェル部は強度&剛性アップのためにウェーブ形状を採用して肉厚化。同時に、スポークとリムの結合部を大きく広げて強化し、タイヤからの入力を理想的に分散できるよう設計された。機能美を感じさせるデザインもポイントだ。
センターサークルは肉抜き穴を廃し、削り込みで軽量化を促進。CE28Nのアイデンティティでもあるティアドロップ型ディンプルはもちろん継承しているが、サイズを全体的に大型化してリデザイン。限界まで軽量化を推し進めたわけだ。
強度、剛性の要となるインナーリムは真円を保つことが重要であり、最新の解析技術を用いて強度、剛性は犠牲とせずに軽量化へ繋がる角度や厚みなどを導き出した。これらはTE37SAGA S-plusと同スペックとなる。
スポークはかなりスリムだが、縦断面の厚みを4.5mmに上げることで剛性を確保。この辺りは、G025の開発技術がフィードバックされていることは言うまでもない。
なお、スタートサイズは18インチのみで狙いを絞った展開となるが、今後17インチや16インチへの拡大は間違いないだろう。フェイスデザインは、リム幅やインセット値によって4タイプの異なるデザインが与えられている。
今回は、そんな最新モデルの性能を探るために、富士スピードウェイのショートコースで実走によるテストを行った。
車両はトラストのデモカー(GR86)で、タイヤはダンロップのディレッツァZIII(FR255/35-18)のフレッシュ。同サイズのTE37SAGA S-PlusとCE28N-plusを履き替えながら、ホイールの違いでフィーリングがどのように変化するのかをチェックするのである。テスターは、レーシングドライバーの井入宏之選手だ。
比較対象のTE37SAGA S-Plusは、文字通りボルクレーシングの現役最強モデル。正直、性能差を身体で感じ取ることなど不可能に近いと思っていたのだが、両ホイールを試してピットレーンに帰ってきた井入選手は目を輝かせながら「嘘だと思うだろうけど、本当に変わった。誰でも分かるレベルで、ね。4つのタイヤの安定度が上がって、ステアリングを切り込んだ瞬間のフィーリングも抜群に良くなる。これは…ちょっと衝撃的だね。現時点で最強のスポーツホイールだと思う。とくにタイムアタック連中は買いでしょうね」と絶賛。
ちなみに、同様のインプレッションは他の車両でテストしていた山野哲也選手からも聞かれた。いや、ジムカーナの絶対王者は「自分がこれまで体験したことがないレベルで限界値が上がる」と舌を巻いていたほどだ。まさに、衝撃的な超性能。CE28N-plusは、TE37シリーズをも超えてしまったというわけだ。
時折、子供のような笑顔を見せながら、百戦錬磨のレーシングドライバー2名がCE28N-plusのインパクトを語り続ける。その様子を見ているうちに、ふと、かつてボルクレーシングを統括していた山口氏の決まり文句が脳裏をよぎった。「最新のボルクが、最強のボルクなんですよ」。
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