目次
2JZ換装に左ハンドル化…、大技のオンパレード!
リヤサスはプッシュロッド式に変更
この美しいターコイズブルーのKGC10型ハコスカは、アメリカのカーガイが手塩に掛けて育て上げたチューンド。以前はホワイトのボディカラーにL型フルチューンの仕様だったが、2021年に大幅リメイク。現代的なカスタムテクニックを取り入れながらアップデートを敢行したのである。
心臓部はL型から2JZ-GTEへとスイッチ。エンジンルーム内は無駄な部品を徹底的に排除した上でネジ穴や溶接痕を徹底的にスムージングする“ジェイブドベイ”を敢行している。
ハコスカは6気筒を搭載するグレードもあったため、2JZの換装はさほど問題ではない。ただし、走行性能を追求する場合はバルクヘッドを加工してエンジン搭載位置を下げるのがセオリーなのだが、このクルマはショーカーと割り切っているのだろう。“そのまま”換装していた。
タービンはボルグワーナーのウエストゲート式で、エキゾーストは最短距離でボンネットから排出する漢気仕様となる。
フロントバンパー前にはオイルクーラー…ではなくインタークーラーを設置。パイピングはチタンだ。
エクステリアはGT-R仕様だが、各部がスムージングされているため、独特の存在感を醸す。ホイールは、RSワタナベと並ぶ当時の定番、スターシャーク(おそらく復刻モデル)をチョイス。これまた定番のオーバーフェンダーを前後にセットし、ロー&ワイドを演出する。
このクルマでもっとも驚いたのがリヤサス。なんとプッシュロッド式に変更されているのだ。サスペンションの入力は、カムを介して向きを変えるシンプルな構造だが、プッシュロッド仕様のハコスカなど世界中を探してもそう見つからないだろう。
内装もボディ同色のターコイズブルーでリペイントされ、最低限の装備のみを残したレーシングスペック。あまりに自然すぎて当初は何も思わなかったが、なんとこのハコスカ、左ハンドルになっているではないか! 他車種流用なのか、どこかの製品なのかは不明だが、アメリカのジャパニーズ旧車フリーク達にとっては垂涎モノのシステムだろう。ダッシュボードは未完成のため、日章旗で隠されていた。
シートはセイボンのフルバケットでシートハーネスはタカタの4点式だ。リヤの空間を覆うロールケージはチタン製だった。
日本とはまるで異なる、実にアメリカらしいアプローチで仕上げられた旧車チューンド。魅力的すぎる存在だ。
記事が選択されていません 記事が選択されていません 記事が選択されていません