目次
チューンドロータリー歴代2位の記録を手にしたFD3S
完全ストリップ状態から作り上げた超軽量タイムアタックスペシャル!
自社でデモカーを所有しないチューニングショップも増えてきた昨今、わざわざドンガラ状態からタイムアタック仕様のデモカーを作り上げた栃木県の“サカモトエンジニアリング”。
その理由のひとつとして、ユーザーマシンではどうしても「壊すわけにはいかない」という意識が付きまとい、限界まで攻めたチューニングが行えないからだ。
「セオリーとか、他人に言われたことじゃなく、自分で試さないと気が済まないんです。だから、自分が納得するまでテストできるデモカーを作りました」と語る代表の坂本さんは、まだ30代の若手チューナーだ。
ストリップ状態からのマシン製作によって得られる経験値はもちろんのこと、完成後も様々なエンジン仕様でのタービンマッチングテストや、レースガスを使ったセッティング比較など、データやノウハウを蓄積し続けている。
また、このマシンは軽量化に拘って製作されているのもポイント。エアロパーツの追加などで多少増量しているものの、完成時の車重は1トンを切っていたというから驚きだ。もちろんスポット増しも全体に施されているし、ロールケージも13点式で張り巡らされている。にも関わらずこの軽さを実現しているのだから、不要な部分の徹底的なダイエットが敢行されているのは、想像に難くない。
エンジンセッティングやタービンマッチングのテストなども頻繁に行っているため、パワースペックは固定されていない。取材時はサイドポート拡大加工+T78-29Dタービンという仕様だったが、ポートはクロスポートやペリも試しており、タービンもT88-34DやT88-38GKなどを使い分けている。当然ながら排気系もワンオフ製作されたもの。ミッションはHKS6速シーケンシャルドグだ。
このマシンのポイントのひとつがフルコンVi-PECを使用しているところ。セッティングはもちろんのこと、様々なセンサーからのデータをロギングして、そのデータを蓄積しているのだ。
足回りはエナペタル製ダンパー+ハイパコスプリングの組み合わせでセットアップ。サスペンションメンバーは溶接補強を施し、アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化している。
ブレーキはフロントがプロジェクトミュー製キャリパー&ローター、リヤはノーマルキャリパーのままローターとブレーキパッドをプロジェクトミュー製に交換。デフはOS技研のスーパーロックLSDを奢る。
軽量化を実現するためにボディ各部を切り落としていて、燃料タンクはリヤハッチ部分に配置されている。完成時に計測したところ車重は981kgだったとのこと。
タイヤは265/35-18のアドバンA050(GS)からスタートし、2018年には295/35-18までサイズアップ。取材時のホイールはアドバンレーシングGT(11J+30)だった。
坂本代表がよくお客さんにお勧めしているのが、オリジナルのシフトノブ(9900円)とカラー(3300円)への交換。とくにカラーは純正プラスチックが劣化していることも多く、金属製に交換することでシフトフィールが激変するという。
エクステリアはRE雨宮製エアロキットをベースに、フロントアンダーパネルやリヤディフューザーなどを追加。ルーフやドアはボディ同色に塗られているものの、実はドライカーボン製に交換されている。
なお、撮影した時点でのデモカーはあくまで“ベース状態”と言うことを付け加えておく。この後からロータリー最速を目指して急激な進化を遂げ、筑波サーキットでチューンドロータリー歴代4位となる54秒252というスーパータイムをマークしたのである。
●取材協力:サカモトエンジニアリング 栃木県宇都宮市幕田町311-4 TEL:028-684-1525
記事が選択されていません 記事が選択されていません【関連リンク】
サカモトエンジニアリング
http://www.sakamotoengineering.jp