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RB26DETTは世界中が意識を向けるチューニングベース!
高性能を極めるなら海外に目を向けるべし
国内では保存モードに移行しつつある第二世代GT-Rだが、世界ではまだまだチューニングベースとしてのポジションが保たれている。そのため、世界の高品質パーツを吟味せずに競走の頂点に立つのは至難の技と言えるほどの状況だ。
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そうした現状を最も理解しているのが、筑波トップランカーの一人として知られる坂東邦彦さん。彼は愛機であるJZZ30型ソアラを自らの手で進化させながらランキングを駆け登り、オーストラリアで行われる世界的タイムアタックイベント“WTAC”にまで遠征を果たした経緯を持つ。
そんな坂東さんが、その製作技術とパーツ選択の眼力、そしてドライビング能力を見込まれて製作、筑波アタックを開始したのがこの常陽不動産 AutoBahn R33。マシンのポテンシャルは非常に高く、参戦2年目で筑波53秒364をマークし、チューニングカータイムアタックランキング9位に付けている実力派である。
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心臓部となるRB26DETTは、オーストラリアのニットー製ストローカーキットで2.7Lまで排気量を拡大させている。フルコン制御の要となるクランク&カムポジションは、ロスパフォーマンス製のトリガーキットで正確な信号を取り入れる。正確なポジション信号をえることで純正制御では成し得ない精密なエンジンマネージメントが成立する。
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エンジンコントロールはMoTeC社のM800。高性能ECUの代名詞とも言えるツールで、電子制御スロットルやパドルシフトの制御まで受け持つ。
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タービンはお馴染みギャレット製のG40というタイプ。従来のモデルに対し、風量は多いがサイズはコンパクトな新設計タイプ。ブースト圧2.0キロで最高出力は900ps、最大トルクは100kgmを発生させる。タービンをセットするためのEXマニはハイパーチューン社のエキゾーストブランドHypEXのRB26用をセレクト。ウエストゲートやブローオフバルブなどブースト制御パーツはターボスマート製だ。
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見た目も美しいサージタンクはハイパーチューン製で、緻密な制御を可能とする85φ電子制御スロットルはボッシュ製。6連スロットルはキャンセルし、シングルとしているのだ。
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サイドタンク式のラジエターは、サージタンク同様アルミ加工を得意とするハイパーチューン社の製品。日本ではあまり聞かないが、ハイパーチューン社ではラジエターやインタークーラーなどのクーリングアイテムも多数ラインナップしている。
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E85アルコール燃料を使用するBCNR33は、より多くの燃料を燃焼室に送る必要がある、そのために選ばれたインジェクターは、インジェクターダイナミクスの2000ccタイプ。燃料ポンプはエレクトロモーティブ製だ。
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シリンダー内の圧力を抜き、エンジンオイルを強制循環させるドライサンプキットはロスパフォーマンス社製。削り出しのカムカバーもドライサンプキットの一環だ。
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ミッションは2022〜2023年シーズンまでは、ホリンジャー製の6速ドグを使っていが、2年以上バックオーダーだったアルビンスのST6(新型のLPタイプ)がつい先日納品され、来シーズンから導入される。
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海外製パーツのみの構成に拘っているわけではなく、優れた日本製パーツも積極的に導入。エクステリアに組み込まれるドライカーボンのアンダーパネルとトリプルエレメントの大型ウイングは、ライバルであり仲間でもあるアンダー鈴木ブランドのもの。ドアパネルやその他のパーツは市販品があれば購入、また坂東さんは自ら工房に出向き必要なアイテムは自身で製作も行なっている。
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タイヤは筑波サーキットは暖まりやすいアドバンA050の295/35R18。ホイールはボルクレーシングのTE37とZE40を使い分けている。
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あらゆる意味で最先端。世界のチューニングパーツを積極的に導入しながら進化を続けるBCNR33は、来シーズンも凄まじい躍進を見せてくれるはずだ。