「ジムニーで速さを徹底追求！」レインボーオートが切り拓くグリップ系チューニングの現在地

公開日 2023/09/14
更新日 2023/09/14
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著者 weboption

ジムニーの新たな楽しみ方を提案！

ジムニー限定のサーキット走行会も定期開催

今、ジムニー界が少々騒がしい。オフロード用として確固たる人気を誇ってきた定番車だが、近頃はサーキット走行を楽しむユーザーが増えているのだ。

その仕掛け人とも言える存在が、千葉県柏市にガレージを構える“レインボーオート”の横ヒレこと横尾代表だ。約20年前にお店を立ち上げた当初は、他のジムニー専門店と同じようにオフロード競技に取り組んでいたという。しかしある日、半分ノリで常連とサーキットへ走りにいってみたところ、想像以上に面白いことを発見。

そこでジムニーの新たな遊び方を提案すべく、2017年にジムニーだけのサーキットイベント『ジムニースーパーラップ』を初開催。徐々認知度が高まり、今では全国からジムニー乗りが駆け付けるほどの大盛況ぶりだ。

そんな横尾さんが現在注力するのが、ジムニーでサーキットを走る楽しさを、より多くの人に知ってもらうための活動とチューニングの開発。

「筑波サーキットで開催されているAttack-Kに出たいと思って2台のデモカーをコツコツとアップデートしていましたが、2023年はジムニーSLクラスが新設されると聞き、急きょJB23WとJB64を持ち込みました」と話す。

片側約10cmワイドのブリスターフェンダーが迫力のJB23W。筑波1分10秒切りを目指してアップデートを重ねてきた本気のデモカーだが、実は保安基準に合致した完全合法仕様だったりする。4WD機構をキャンセルしFR化したうえで、ドライカーボンルーフの投入などにより車重を約950kgまで絞り込む。現状のベストタイムは1分14秒だ。

レインポーオートの隠れたヒット作となっているのがドライカーボンルーフ。重量は約4.0kgと、純正(14.8kg)から10.8kg以上の軽量化を達成できる逸品だ。

モンスターの強化部品を組み込んだK6Aユニット(排気量ノーマルのまま)に、オリジナルのTD350ターボやワンオフのサージタンクをセット。最大ブースト圧は2.0キロで、180psもの出力を発生させる仕様だ。冷却系も抜かりなく、トラストの3層インタークーラーや3層ラジエター、6段オイルクーラーで強化。「軽自動車の割にエンジンルームが広いのでチューニングしやすいですよ」と横尾代表。

20段減衰力調整機能付きのConquest Damperは、全長調整式。スプリングレートはフロント6kg/mm、リヤ5kg/mmで、強化ウレタンブッシュも組み込んだ。

一方のJB64デモカーは、可変バルタイ付きエンジンや高いボディ剛性を活かしたモディファイを実践。ミニサーキットをターゲットにしたエアコン付きの快速仕様だ。

駆動系は2駆グレードのJ2用ホーシング＆トランスファーを流用して完全FR化を実施。なお、筑波サーキットでは1分22秒というタイムをマークしている。

エンジン本体はノーマルだが、RHF3ハイフロータービンの投入を軸に、吸排気から点火系まで自社パーツでフル武装。制御には高性能フルコンのLINKエクストリームを採用して綿密なマネージメントを行いつつ、アンチラグシステムも実装済み。もちろん、これらはワンオフのスペシャルではなく、エンドユーザーにも提供されている現実的なメニューだ。

アンダーコートまで剥がされ、スパルタンに仕上げられた室内。ロールケージはサイドバーやクロスバーまで与えられたサイトウロールケージ製のスペシャルだ。ステアリングハンドルは330φのナルディラリーで、シートはレカロのSP-G。トランスファーの撤去と合わせて、80kg以上の軽量化を実現しているというから恐れ入る。