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走り、ルックス、快適性が高次元で備えた最強のパッケージを目指せ!
ワインディングやサーキット、そしてゼロヨンといった走りのステージだけでなく、美しき流線ボディを武器にドレスアップシーンでも広く支持を集めてきたFD3S。最近は保存モードに突入して控えめなオーナーも増えてきているが、西のロータリーチューナーであるフジタエンジニアリングが声を大にして叫ぶのは「FD3Sは走らせてこそ!」という言葉。走り、ルックス、快適性を高次元に備えたオールラウンダーに導くべく、FD3Sを存分に楽しむためのセットアップポイントをアドバイスしてくれた。
1.オールラウンダーを目指すならタービンはハーフブレード
ポテンシャルアップに効くメニューと言えば、やはりタービン交換だ。とくに近年はレスポンスとパワーを高次元でバランスさせたタービンが数多く、一体どれを選べば良いのか非常に悩ましい。
「最近のタービンはコンプレッサーにフルブレードを採用する流れになっていますけど、ロータリーとマッチングが良いのはハーフブレードですね。パワーだけで考えるとハイブーストにもしっかり応えてくれるフルブレードですが、どうしても高回転志向のエンジン特性になるため、街乗りやタイトなセクションで辛くなる。パワー自体は控えめでもハーフブレードならピックアップが良く、ステージを問わずフルブレードに負けない速さを引き出せますよ」とは藤田さん。
ハーフブレードを採用するモデルの中でフジタエンジニアリングが推奨するのは、HKSのGTIII-4Rだ。ピックアップに優れ、エンジン本体ノーマルからポート加工まで対応する懐深さを持った万能型とのこと。
パワーを追求するならば、GTX3582RのGEN1という選択肢もある。フジタ謹製のスペック5ポートチューンと組み合わせることで、510psのオールラウンダースペックへと仕上げられる。そのポテンシャルの高さは、魔王号で実証済みだ。
2.ワイドボディ化でコーナリング性能を磨くべし
コーナリングマシンとしての戦闘力を高めるなら、やはりタイヤ性能の底上げは最優先事項だ。タイヤチョイスに関しては、街乗り主体ならばアドバンネオバAD09、ワインディングやサーキット主体ならばアドバンA052というのが藤田さんの考え。
「溝が深い分だけネオバAD09のほうがロングライフですけど、摩耗スピードはA052と大差ないですね。それよりもタイヤ性能の引き出しを左右するのが、ストックボディかワイドボディかという部分。ストックボディでは255サイズが限界なのに対し、ワイドボディなら295サイズをマッチングできる。アフラックスGT3エアロキットでワイド化すれば、前後315サイズだって可能ですよ」。
3.三年に一度はECUをリセッティングせよ
忘れがちなのは、エンジンコンディションの変化だ。例えば、タービン交換と同時にECUの現車セッティングを行なって完璧な状態に仕上げたとしても、圧縮や燃圧が低下していくとベストなセッティングからは遠ざかってしまう。
「LINKなどの最新フルコンを使えばコンディション低下も補正できますけど、水温が少しきつくなったような時に意図せぬ補正が働いてしまうデメリットもある。その点、パワーFCはファジーな部分があって使いやすいのですが、今度は多少調子が悪くても普通に動いてしまう。3年ほど経過したなら、仕様はそのままでもECUのリセッティング効果は確実に体感できます」と藤田さん。
4.超絶進化を遂げている最新ダンパーを導入すべし
切れ味鋭いコーナリング性能を支えるフットワークだが、一度セッティングしたダンパーキットを長期間に渡って使い続けていないだろうか? というのも、経年劣化による性能低下だけではなく、最新のダンパーはタイヤ性能や車両の進化を踏まえてアップデートされているからだ。
「デモカーで鍛え上げた『サスペンションキットPRO-F09』は、ストリートからサーキットまでオールラウンドに対応するように進化を重ねてきました。ベースはHKSを使用していますが、ハイパーマックスがデュアルプリロードバルブシステムやWRニードルといった新機構を備えて進化。そのシステムをもとに、PRO-F09もスプリングレートはそのまま2023スペックにアップデートし、ストリートでの乗り心地を向上させています」。
ちなみに、PRO-F09をすでに投入している場合は、買い換えなくともオーバーホール時に仕様変更で最新スペックにアップデートすることが可能。他メーカーの車高調でもオーバーホール時に最新スペックに変更できるケースは多いので、ダンパーの進化情報にアンテナを張っておこう。
5.低下したボディ剛性をリフレッシュすべし
フットワークを煮詰めても、イマイチしっくりとこないハンドリング。その原因は走行距離や年数で剛性低下したボディに入力が逃げてしまっているせいだ。近年はタイヤ性能が引き上げられたため、剛性低下の進行も早い。ということで、走りを楽しむためにボディ補強へと取り組むべきだが、どのような方法がベストだろうか。
「ロールケージは万が一のシーンで得られる安心感を除けば、シートとの干渉や乗降性の低下、重量増といったデメリットも多い。ですから、快適性を犠牲としないボディ補強で勧めているのが、開口部のスポット増し。理想はフロントウインドウを外しての全面作業ですが、左右ドアとリヤゲートの開口部をスポット増しするだけでも、ギャップを超えた際の挙動やハンドリングが大きく変わります」とのこと。
ちなみに、スポット増しの価格は1開口部につき6万6000円。左右ドアとリヤゲートの開口部を補強しても20万円弱と、コストパフォーマンスは上々だ。
●取材協力:フジタエンジニアリング 大阪府堺市東区八下町1丁82-1 TEL:072-258-1313
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