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キットのポン付けでは終わらない老舗の拘り
純正ECUを活かす独自のアレンジでZ33を覚醒させる!
HKSがZ33にモアパワーを与えるべく開発したGTスーパーチャージャーシステム。トルク感応型の遠心式コンプレッサーを軸に、スーパーチャージャー化に必要となる構成パーツを全てワンパッケージ化し、このキットのみでチューニングを完結できるよう考え抜かれた至宝の逸品だ。
専用データがプリセットされたサブコンまで付属するコンプリートキットも存在する(現在は廃盤)が、“フェニックスパワー”では、サブコンと燃料系パーツが含まれていない安価なプロキットをベースに独自のシステムを構築している。
その理由については、「キット付属のデータはやっぱり汎用…、限界があります。問題はエアフロ。純正のホットワイヤー式は300ps以上で張り付き(計測限界を超えて電圧が上限値で固定される状態)を起こすんです。その状態でサブコンが燃料を増量補正すると…ヤバイことになるでしょ?」とはフェニックスパワー横山代表。
要となるマネージメントには、独自のROMチューン『アプリケーションCPU』で対応する。この段階でフルコン化(F-CON Vプロ等)を考えるユーザーも多いが、横山代表に言わせると「お金がもったいない(笑)」とのこと。ストリートスペックを前提とするならば、純正ECUのフェイルセーフ機能をフル活用できるROMチューンに分があると考えているのだ。
アプリケーションCPUは、燃調や点火時期のみならず、VTCや電子制御スロットルまでをスーパーチャージャーに合わせて綿密にセッティング。なお、メーカーは過度な排気チューンを推奨していないが、シャーシダイナモでの現車合わせでどんな仕様にも対応できる点は注目だ。
取材車両は、オーナーの意向によりエキゾースト環境はフルノーマル。インテーク側で完結できるスーパーチャージャーならではと言えるが「排気を煮詰めればパワーの上乗せはまだまだ可能なんやけどね」と横山代表は語る。
取材時にシャーシダイナモを回してもらったところ、パワーは378ps/7300rpm、トルクは42.3kgm/5300rpmという強烈な出力をマーク。そして、回転数に比例して出力がフラットに高まっていくこのパワーカーブこそ、ターボとスーパーチャージャーの中間と言われるGTスーパーチャージャーの特徴だ。ここに排気チューンを組み合わせれば、400ps近い最高出力を手にすることも可能だという。
メーカーが苦心の末に産み出した製品を、独自の解釈でさらなる次元へと昇華させる。これこそ、チューニングショップならではの仕事と言えるだろう。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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