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適切なタービンチョイスとエンジンチューンでSW20の可能性は拡がる!
仕様違いの2台から見える3Sチューンのアプローチ
ゼロヨン仕様のデモカーで、SW20国内最速の9秒900という記録を持つ福島県の“ガレージアクティブ”。その実績と確かな技術力、さらに代表の小林さんが「イジって走るチューナー」ということもあって、モアパワーを求めてココにやってくるSW20オーナーは後を絶たないほどだ。
今回取材したのは、まずアクティブが最も得意とするゼロヨン仕様。クローズドコースでは、オーナー自らのドライブで10秒4を叩き出している超実力派マシンだけに、チューニング内容もハードだ。エンジン本体は、シリンダーにスリーブを打ちこんだ上でHKS87φ鍛造ピストンと強化コンロッドをセット。排気量アップと大幅な耐久性向上が図られている。
これに組み合わされるタービンは、元々アクティブのデモカーに装着されていたTO4R。“ゼロヨン=ピークパワー重視”のため、高回転域での排圧を抑えるカットバックタイプが選ばれている。ブースト圧は常時1.7キロ。スクランブル2.2キロで、なんと630psをマーク。「吸気抵抗でパワーダウンしたらイヤだから」という理由で、エアクリーナーレスのファンネル仕様とされているのも本気の証だ。
パワーバンドは5500〜9000rpmとかなりの高回転型ながら、TO4Rは低回転がスカスカということもなく、実用域でも扱いづらさを感じることはないという。
トランク下のリヤオーバーハング部に装着されたインタークーラーは、アクティブがオリジナルキットとして用意しているモノ。純正交換タイプでは絶対的な容量が足りないため、タービン交換仕様ではこのキットを勧めているそうだ。
オイルクーラーは水平マウントでリヤアクスルの前に設置。導風板でコアに走行風が当たりやすくしているが「冷却効果としては“無いよりはマシ”というくらい」と小林代表。そもそもゼロヨン仕様では、冷却性能がそれほど重視されるわけではないため、コレでOKなのだ。
操作性を考えてシフトノブの先端に設けられたスクランブルブースト用のスイッチ。ひと押しすれば通常1.7キロのブースト圧が2.2キロに引き上げられる。
もう1台のSW20は、アクティブで扱う台数も増えてきたというサーキット仕様。オーナーは間瀬サーキットをメインに筑波なども走るそうで、ブーストアップ仕様からのステップアップに際して「レスポンスを落とさずにパワーを上げたい」というリクエストが出された。
それに対して小林代表が出した回答は、アクティブオリジナルGT3037プロSキットの装着だ。タービンの容量からすると狙えるパワーは480ps前後だが、TO4Rより1000rpm低い4500rpmでフルブーストに達するレスポンスの良さが大きな魅力。また、このオリジナルキットは純正EXマニにポン付けできるのもポイントだ。
当然、タービンの性能を引き出すためにエンジン本体も強化されている。腰下にはオリジナル86φ鍛造ピストンとJUNのI断面コンロッドが組まれ、一通りの加工や修正が行われたヘッドにはHKSハイカム(IN/EX272度)がセットされる。この仕様で最大ブースト圧は1.8キロ、タービン容量をほぼ使いきる460psを出力している。
インタークーラーは、ゼロヨン仕様と同じくトランク吊り下げ式。走行風は下面に当たり、コア上部に設けられた電動ファンで上方向に吸い出される。マフラーはステンレスのワンオフ品でパイプ径はメイン80φ、テール115φ。
オイルクーラーの設置場所も技ありだ。本来純正インタークーラーがマウントされていたボディサイド右側のインテークにセットすることで、十分な冷却性能を確保。電動ファンは純正のインタークーラー用が流用される。
ラジエターの取り付け角を立てて、走行風をフロントフード上に抜く加工が施されているのも見どころ。ラジエター本体はノーマルだが、水温の安定化に効果を発揮するそうだ。この辺りは10秒足らずで勝負がつくゼロヨンとは違い、クーリング性能がパワーやタイムに大きく影響してくるサーキット仕様特有のメイキングと言える。
同一車種でありながら、オーナーの用途に合わせて適切なパーツチョイスができる知識、そしてセッティングを行なう技術を持ち合わせているのは、SW20に精通したガレージアクティブならではの強みだ。
●取材協力 ガレージアクティブ 福島県会津若松市城北町8-43 TEL:0242-25-1833
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