【編集長コラム】350万円の過走行R35GT-Rを購入しちゃいました!

走行12万kmのGT-Rで新たなカーライフをスタート

初手はオールペイントとタイヤ交換!

2023年に入って間もなく、街乗り仕様のR35GT-Rを手放す人がいるという話が知り合い伝いに回ってきた。最初期の2007年モデルで走行距離は12万km、価格は350万円である。

過走行の初期型に350万円かぁ…としばらく悩んだものの、相談したスモーキー永田の「相場よりもかなり安いし、VR38DETTエンジンは20万kmオーバーでも壊れないから大丈夫!」という言葉に後押しされ、意を決して購入に踏み切った。

国産最強の現行スポーツモデルとして知られるR35GT-Rだが、手にした個体はすでに16年落ち。経年で劣化する部分、距離で劣化する部分、乗り方で劣化する部分が確実に存在する。ダッシュボードの割れ、フライホイールハウジングのガタ、GR6ミッション全般、モニターの変色、ラジエター周りのパンク…等々だ。

全てのウィークポイントに手を入れると間違いなく破産するので、とりあえず外装のリフレッシュを優先することに。いつもお世話になっている“トップシークレットII”へと車両を運び、モール全交換&オールペイント(全塗装)を依頼した。

ちなみに、過去に7回ほど愛車をオールペイントした経験から言わせてもらうと、オールペイントのクオリティは間違いなく料金に比例する。

トップシークレットIIの場合、2コート(ソリッド/メタリック/パール)が60万円〜、3コートパールはその5万円増しくらいの設定で、表面的には高く見えるがそれは大きな誤解。なぜなら、他ショップではオプション設定というケースが多い外装パーツのフル脱着およびウインドウ脱着費用が、料金の中にしっかりと含まれているのだから。

「ショップごとの価格差は、パーツ脱着と下地処理の違いでしょうね。安いところはパーツ脱着費用が別だったり、下地処理が適当だったり…。だって、クルマ1台を塗るために必要な塗料の量は、4L前後と決まっているんですもん。特殊塗料や海外製の高級塗料を使わない限り、その部分で価格差はないはずですから」とは、トップシークレットIIの森崎代表。

すなわち、オールペイントとはボッタクリでない限り『価格=手間』であり、安かろう悪かろうを地でいく世界なのである。当然、手間を惜しめば仕上がりは…。オールペイントを考えている方々は、ショップに問い合わせる際、この辺りをチクチク突っついてみると良いだろう。

今回選んだカラーはNISMOと同色のステルスグレーだ。当初は「せっかくオールペンするのだからオリジナルの調合に」などと、色気を出してステルスグレーにパールなどを加えて色味を変化させることも考えた。が、見本を作ってもらったらなぜか微妙。

その後、カラー配分を変更したり原色自体を変えたり…と、終着点の見えない作業を永遠と繰り返すも全て納得できず。最終的には、ステルスグレーそのままで塗ることにした。

正直、色ってやつには答えがない。ひとくちにグレーと言っても、そのバリエーションは軽く100通り以上ある上に、キラキラ効果を出すメタリックとパール(マイカとも言う)にも様々な種類が存在する。つまるところ、どこかで妥協(?)しない限り前に進めないのだ。かくも恐ろしき色選びである。

そんなこんなで3週間が過ぎ、無事に新車のごとく輝くステルスグレーのGT-Rが完成した。元々、トップシークレットのフルエアロが導入されていたこともあり、見た目は完全に2017年モデルのNISMOへと変身したわけだが、事実を知る周囲からはNISEMO(偽モ)と呼ばれていたりする…。

オールペイントと同時に、もう一つ手を入れたポイントがある。それがタイヤだ。スリップサインが出まくっていた純正ランフラットでは流石に危険だったため、以前から気になっていた横浜ゴムのADVAN APEX V601(アドバン エイペックス ブイロクマルイチ)に変更。サイズは純正に近いフロント245/40R20、リヤ275/35R20をチョイスした。

このAPEX V601は、元々、北米メインで展開されていたストリートラジアルだが、2023年から日本国内での販売を本格化。現在、スタンス系のトレンドセッターを中心に勢力を伸ばしているアドバンの強力な新戦力だったりする。

しばらく乗り回した感想は「全く不満がない」に尽きる。普通にグリップレベルが高く、ロードノイズは純正以下。タイヤ単体重量が軽くなる(ランフラット構造ではなくなるため)のでステアリングフィールに軽快感も生まれる。何より純正ランフラットよりも圧倒的に安上がり! 今後も愛用していこうと強く思った次第だ。

こうしてスタートした初期型GT-Rライフ。不安箇所は多いが、最終的には2024年モデル並みに快適で速い仕様にまで育てていけたらなぁと考えているので、しばらくお付き合いください!

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竹本雄樹 近影

竹本雄樹